【コラム】うそ・扇動・非常識の「共に民主党ワールド」

 政党が支持層の論理を代弁するのは当然だ。しかし、それが過度に国家利益を傷つける水準に達するのは正常とは言えない。北朝鮮の核の脅威に対応し、韓米日が合同演習をすると、民主党は突然「親日国防」と決めつけた。安全保障と親日に何の関係があるのか。少なくとも政権を握るたびに、北朝鮮を支援し、核・ミサイル開発資金を提供してきた張本人たちが言うべきことではなかった。北朝鮮の核問題の「隠れた支援者」と言われる民主党が、今や国を守ることにまで背を向けている。

 国益を害する民主党の自害劇は絶えず繰り返されている。庶民生活を窮乏させた所得主導成長、「住宅価格の狂乱」を招いた強引な不動産規制、住宅賃貸市場の大混乱を引き起こした反市場的な賃貸借3法、タクシー業界の混乱を招いた「配車サービス『タダ』禁止法」などがその一例だ。「蔵に穀物を積んでおけば腐る」というとんでもない論理で財政を枯渇させ、脱原発への逆走でエネルギー体系をめちゃくちゃにした。そして野党になって以降は、余剰米にさらに税金を投じる糧穀管理法、労働現場の不法行為や暴力を助長する労組寄りの「黄色い封筒法」を推進している。こんな国家的自害を繰り返す政党はほかにあるだろうか。

 相次ぐ非常識にかなり鍛えられた人たちも民主党広報が指摘した「深夜酒席疑惑」暴露にはお手上げという反応が多かった。少し確認しただけでも虚構であることが明らかなデマを持ち出し、国政監査をお笑いの場にした。ここまでいけば除名レベルの重懲戒モノだろうが、民主党はむしろ彼が正しいと言ってかばった。民主党式の世界観では、敵を攻撃できるなら事実かどうかは重要ではないからだろう。

 かつての金大業(キム・デオプ)の「兵風」事件、ユン・ジオの虚言騒動、最近では電気・水道の民営化デマまで、民主党の「もし間違いならばいいんだが」式の扇動は計り知れない。荒唐無稽な狂牛病デマに便乗し、天安艦沈没の時は米潜水艦衝突説で世の中を揺さぶった。セウォル号沈没事故が起きると、「青瓦台シャーマン疑惑」に「故意沈没説」まで持ち出した。フェラガモ、生タラスープ、「ホステスジュリー」などB級雑誌も書かない低質な疑惑を膨らませ民心を惑わせた。どれ一つ取っても党が解散して当然の重大事案だったが、これらすべてが虚偽であることが明らかになった後も、民主党は一度もまともに謝罪していない。

 故障した政治に対し、「問題解決者ではなく問題そのものだ」と一喝した経済思想家がいた。まるで今の民主党を名指しして言ったように聞こえる。でたらめ・低質・偽り・扇動が平気で通用する「民主党ワールド」の精神世界はどんな構造だろうか。議会権力を掌握した巨大野党が「問題そのもの」に転落した韓国政治の現実が嘆かわしい。

朴正薫(パク・チョンフン)論説室長

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