北のミサイル、資金源は仮想通貨だった…今年だけで1兆7000億ウォンをハッキング

　北朝鮮が今年に入って奪取した仮想通貨が約1兆7000億ウォン（約1790億円）以上に上ることが6日までに分かった。 韓米情報当局は北朝鮮がハッキングを通じて稼いだ外貨を核兵器開発と最近のミサイルによる連続挑発に使ったとみており、資金源の遮断に乗り出した。韓米は北朝鮮の仮想通貨ハッキングを阻止するため、独自の制裁案をまとめ、近く発表する予定だ。

【写真】韓半島上空を飛行する米空軍の戦略爆撃機B1-B

　有力な消息筋は、北朝鮮がビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨をハッキングして確保した資金が、韓米情報当局がこれまでに確認しただけで少なくとも1兆7000億ウォンに上るとし、北朝鮮が劣悪な経済状況でも挑発を続けられる理由がそこにあると指摘した。北朝鮮は直近の1週間でミサイル約30発、砲弾160発を発射するのに数千億ウォンを使ったとみられる。

　北朝鮮は2016年に対北朝鮮制裁が本格化した直後から世界各地の取引所で暗号通貨を奪取した。韓国政府高官は「仮想通貨経済生態系が急成長し、偵察総局が指揮するとされるハッキング集団『ラザルス』などが取引所ハッキングに集中。蓄積された資金が核・ミサイル開発の財源として使われた」と話した。米ブロックチェーンデータ分析業者のチェーナリシスは今年8月の報告書で、「今年発生した暗号通貨奪取事件の60%程度が北朝鮮に関連するハッカーの仕業と推定される」とし、北朝鮮がハッキングで今年約10億ドル（約1470億円）相当の仮想通貨を奪取したと主張した。