【NEWSIS】ロシアが併合を宣言したウクライナ南部ヘルソン州から撤退する際、動物園の動物まで略奪する映像が公開された。
英紙デーリーメールは14日(現地時間)、ロシアの動物園管理者オレグ・ジュブコフがラマを車に乗せ、またアライグマのしっぽをつかんでおりに入れる映像を公開した。
ヘルソン動物園から略奪された雌雄のオオカミ1組がジュブコフ所有の動物園に連れ去られる映像も公開された。
「ライオンマン」として知られるジュブコフは昨年、自らが所有する動物園で虎が1歳の子供の指にかみつく事故が起こった際、管理のずさんさを理由に起訴された。
ジュブコフには2年3カ月の実刑が宣告されたが、クリミア半島だけで生活することを条件にわずか2カ月で釈放された。
ジュブコフはクリミア自治共和国首長のセルゲイ・アクショーノフの指示でヘルソン動物園に派遣された際に動物を連れてきたと主張している。
ジュブコフは「これは動物の略奪ではなく一時的な避難だ」とした上で「土地も広く日当たりが良いクリミア半島の方がオオカミにとってよりよい環境のはずだ」と主張している。
ジュブコフはロシアがヘルソンを再奪還すればオオカミを送り返すと主張している。
ウクライナ国防省はツイッターに「侵略者たちがヘルソンでギャラリーの絵画から博物館の骨董(こっとう)品、図書館の歴史的書物まで全てを略奪した」「しかし動物園からアライグマを盗めばアライグマは死ぬ」とツイートした。
今月初めにウクライナの他の地域ではロシア軍が撤退した後に動物園の各所で動物の死骸が発見された。これについては「補給が途絶えたロシア軍兵士らが動物を食べたのでは」との主張も出ている。
ウクライナの地方政府によると、ラクダ2頭、カンガルー1頭、子豚数頭、鳥やオオカミなどが殺害されたという。
ロシア軍はさらに18世紀にヘルソンで生活しこの地で埋葬された帝政ロシアの政治家グレゴリー・ポチョムキンの遺品を聖キャサリン大聖堂から略奪していった。
ポチョムキンの銅像、ロシアや旧ソ連の歴史的人物の記念碑などもヘルソンから消え去ったようだ。
ヘルソン市のキュレーターたちは「ロシア軍が美術館の展示品を全て車に積んでいく様子を目撃した」と語っている。
ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍によるヘルソンからの撤退について「戦争の終わりの始まり」としている。
キム・グァンウォン記者