(アンカー)
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が先日の海外訪問で物議を醸した韓国MBC記者の大統領専用機搭乗拒否について、自ら見解を明らかにしました。尹大統領は「MBCはフェイクニュースで同盟国である米国と仲たがいさせようと、悪意のある行動を取った」と言いました。大統領が特定のメディアを対象にこれほど強い口調で批判をしたのは非常に異例でしょう。これに対して現場にいたMBC記者が「何をもって悪意があるというのか」と問いただしたため、会見の場は騒然としました。すると、大統領室は直ちに10項目の事例を根拠に「悪意がある」と反論しました。
ファン・ソニョン記者がお伝えします。
【TV朝鮮動画】「MBCが悪意を持って何をしたというんですか?」…尹大統領に食ってかかる韓国MBC記者(01:25~)
(記者リポート)
海外訪問から戻って初めて大統領府に出勤した際、記者に「MBC記者の大統領専用機排除」について質問を受けた尹錫悦大統領は「メディアの批判に対して心を開いている」と言いながらも、MBCが悪意のある行動を見せたと強く批判しました。
尹錫悦大統領
「事実とは異なるフェイクニュースにより同盟関係を離間しようと、非常に悪意のある行動を見せたので…」
そう述べながら、専用機排除は「大統領の憲法守護責任の一環として、やむを得ない措置だ」と強調しました。
尹錫悦大統領
「言論の自由も重要だが、言論の責任が民主主義を支える柱だという点で非常に重要だ…」
すると、現場にいたMBCの記者が強く抗議しました。
MBC記者
「MBCが悪意を持って何をしたというんですか? 何が悪意だというんですか?」
その後、大統領室のイ・ギジョン広報企画秘書官とMBC記者の間で舌戦が繰り広げられました。
イ・ギジョン秘書官
「まだ分からないのか」
MBC記者
「言葉に気をつけてください」
イ・ギジョン秘書官
「『言葉に気をつけてください』じゃなくて、報道をちゃんとしてくださいよ、本当に」
MBC記者
「大統領がおっしゃった言葉じゃないですか。あれは我々がでっち上げたものだと言うんですか?」
大統領室は即座に「MBCに悪意がある10の理由」という文書を書面ブリーフィングしましたが、米ニューヨーク訪問時に尹大統領が言っていない「米国」という言葉をカッコ付けの字幕を入れて放送したことや、ワシントン特派員が卑俗語発言を既成事実化してホワイトハウスに見解を問い、「韓米関係は強い」という回答を得ながらも報道していないこと、金建希(キム・ゴンヒ)夫人の発言について俳優を使って再現しながら、それを表記しなかったことなどを「悪意のある事例」として挙げました。
与党・国民の力の権性東(クォン・ソンドン)議員はMBCに「自らの報道水準をまず振り返ってみよ」と加勢し、野党・共に民主党は尹大統領に向かって「ゆがんだ言論観をメディアに強要するな」と批判しました。
MBCは、尹大統領の発言は「言論の自由を委縮させる恐れがある脅しのような発言」と反発しています。
テレビ朝鮮 ファン・ソニョンでした。
(2022年11月18日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)