韓国MBC放送が、1日に開いた創社61周年記念式典で、大統領室秘書官とサンダル履きの格好で言い争いを繰り広げて物議を醸していた記者に優秀賞を与え、MBC少数労組の第3労組がこれに反発している。
【写真】尹大統領のぶら下がり会見にサンダル履きで臨む韓国MBC記者
第3労組はこの日、声明を通して「朴晟済(パク・サンジェ)社長がきょうのMBC創社記念式で、A記者に優秀賞を与えた。『他の記者の模範になった』という」「A記者とは誰か。出勤途中の囲み会見を終えて背を向けた大統領にサンダル履きで後ろから大声を上げた人物だ」と語った。
第3労組は「いくら民労総(全国民主労働組合総連盟)言論労組がMBCを掌握したといっても、偏向報道で批判されている人間に賞まで与える行為はあまりに露骨」とし「今後ますます不公正に報道を行い、特定の政治勢力の利益にしようというのと、何が違うのか」と批判した。さらに「不偏不党の公正放送に力を尽くす」MBCの放送綱領に言及し「朴晟済社長は、A記者の取った行動、彼に賞を与えて『模範』と称賛する行動が、上記のような原則に符合すると思っているのか」と指摘した。
第3労組が公開したMBCのA記者授賞の事由には「2022年7月5日、ニュースデスク『大統領NATO歴訪に民間人が同行…1号機にまで搭乗?』特ダネ報道を行った。MBC報道の価値を高め、ニュース競争力を向上させた。誠実な勤務姿勢と積極的かつ批判的な記者精神で他記者の模範になった」と記されていた。
チョソン・ドットコムはMBC側の立場を聞くため、数度にわたって連絡を試みたが、連絡はつかなかった。
朴晟済社長はこの日の創社記念式典で「われわれはこれまで経験してきたメディア環境の流れとは異なる、また一つの大きな波に直面している」とし「この波は、ひとえに国民だけを主人とするわれわれのアイデンティティーを脅かし、民主主義と言論の自由に対するわれわれの使命を揺るがしている」と、大統領室との対立について遠回しに言及した。
さらに朴晟済社長は「堅固な防波堤になり、一番前で波とぶつかる」「合理的な批判は受け入れるが、不当な干渉と外風は徹底して防ぎたい」と語った。
キム・ミョンイル記者