米議会上院、北による韓国公務員射殺に言及した「北朝鮮人権法再承認案」を満場一致で可決

 米連邦議会上院で、2004年に成立した「北朝鮮人権法」の効力を2027年まで延長する北朝鮮人権法再承認法案(S.4216)が8日(現地時間)に満場一致で可決した。この法案は共和党のマルコ・ルビオ上院議員と民主党のティム・ケイン上院議員が今年5月に共同で提出した。北朝鮮への情報伝達に一層力を入れ、脱北難民を支援し、北朝鮮人権特使の任命を促すことなどが定められている。年内に連邦議会下院で可決後、バイデン大統領の署名により北朝鮮人権法の効力は5年間延長される。

 今回上院で可決した法案は2020年9月に西海で発生した韓国海洋水産部(省に相当)職員の故イ・デジュンさん殺害事件にも言及している。北朝鮮の人権侵害も指摘し「発見後の即時射殺命令を含む北朝鮮のコロナ封鎖措置は国境を越えようとする北朝鮮住民と、そして2020年9月には少なくとも1人の韓国国民の殺害につながった」と明記した。「コロナ大流行の影響と北朝鮮における厳格な国境封鎖、非公式の市場活動や小規模自営業者の取り締まりは食料難をさらに厳しいものとし、一部地域では飢饉を引き起こした」とも指摘されている。

 また米議会上院はこの法案で「北朝鮮における人権や人道問題は嘆かわしいものであり、金正恩(キム・ジョンウン)と朝鮮労働党が推進し実行している政策に基づき北朝鮮住民たちに対して意図的に行われている」とも明記している。北朝鮮における人権侵害と人道危機の責任がどこにあるかを明確にしたものだ。法案にはさらに「中国共産党と中国政府により北朝鮮難民は強制送還され(北朝鮮の)収容所に送られている。(中国は)過酷な尋問、拷問、処刑など反人道的犯罪を支援し、あるいはけしかけている」との指摘も盛り込まれた。

ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員

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