【NEWSIS】死んでから200年以上も博物館に展示されたまま眠ることができなかった「アイルランドの巨人」の遺骨が展示品リストからやっと除外されることになった。
英CNNは12日(現地時間)、「イングランド王立外科医師会(RCS)所属のハンタリアン博物館では最も有名な展示品『チャールズ・バーンの遺骨』を今後は展示しない予定だ」と報じた。 チャールズ・バーンは18世紀のアイルランド出身の男性で、下垂体異常により身長が約230センチメートルまで成長し、「アイルランドの巨人」と呼ばれた。
バーンは晩年、自身の身長を人々に見せることで生計を立てていたが、死亡後も大衆の見せ物になることは望まず、死後は海葬にするよう希望した。
しかし、そうしたバーンの願いはかなわなかった。ハンタリアン博物館を所有していた解剖学者・外科医のジョン・ハンターは、バーンが死去した1783年にバーンの知人たちに大金を払って遺体を引き取り、その巨大な遺骨を同博物館にそのまま展示した。バーンの遺骨は本人の意思とは関係なく、その後200年以上という長い間、同博物館に展示され、数多くの人々の注目を集めるのに利用された。
2011年、倫理学者のロンドン大学クイーンメアリー校レン・ドイアル名誉教授とトーマス・マインジャー弁護士は「バーンの遺骨展示に対する倫理的な問題を真摯(しんし)に議論すべきだ」という論文を英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」で発表した。ドイアル教授はこの論文で、「バーンは友人や知人たちに『自分が死んだら遺体を海葬にしてほしい』と頼んでいた。しかし、ハンターはバーンの友人たちに大金を与え、ひつぎの中に入っていたバーンの遺体を重い物にすり替えた。バーンは本人の意思とは裏腹に数百年間苦しめられることになった」と述べた。
この論文が掲載されてから12年、バーンの死後から240年過ぎた今年初め、RCSは保守工事を終えてリニューアルされるハンタリアン博物館の展示品リストからバーンの骨格標本を外すことを決めたと発表した。同博物館側は「ジョン・ハンターのような18世紀の解剖学者たちや外科医たちは現代では倫理的に許されない方法で数多くの標本を入手した。こうした遺体・遺骨は今後も真摯な議論の対象になるべきだ」と述べた。
チョン・ヒジュン記者