【コラム】選挙区制の改編問題、韓国国民は二度とだまされない

 韓国憲法にも1987年まで同じような条項が存在した。第5共和国憲法第57条は「大統領は国家の安定、または国民全体の利益のために必要だと判断するだけの理由がある場合には、国会議長の諮問、および国務会議(閣議に相当)の審議を経た後、その理由を明示して国会を解散することができる。ただし、国会が構成されてから1年以内の場合は解散できない」とされていた。状況は大きく異なっているものの、韓国でも3回にわたる国会解散があった。

 現在の韓国の二極化は、1945-48年の「日本による植民地支配からの解放」とは比べ物にならない。当時は本当に死活問題となる極端な理念の葛藤が中心だった。しかし、それは回避できず、克服しなければならなかった過程だ。共産主義か、自由民主主義か、子々孫々にわたる命運を決める厳しい選択だった。今でも選挙の際は、同じような岐路に立つという心情の読者もいるだろう。

 2020年の総選挙以降、韓国は重要な選挙を3回行った。2021年にソウル・釜山市長の補欠選挙、22年に大統領選挙と全国地方選挙だ。三つの選挙とも右派が勝った。このうち2回は圧倒的な勝利だった。これに勝る国民的意思表示はないだろう。左派は国家運営から手を引けとの命令なのだ。

 韓国は、選挙法を改正して行った2020年の4・15総選挙で徹底的にだまされた。政治部の記者たちも混乱していた「準連動方式の政党別比例代表割り当て」により魂を抜き取ったところ、総選挙得票率と議席占有率を大幅に乖離(かいり)させる衛星政党を生み出したのだ。国民たちは、今の選挙区制改編論議も疑わしいまなざしで見つめている。国会議員の定員が減るどころか増える可能性が高いためだ。定員を360人に拡大する改正案はすでに発議されている。

キム・グァンイル論説委員

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