韓国防衛産業5社の受注残高100兆ウォン突破…韓国が「自由民主主義の武器庫」に

欧州・中東にとどまらず東南アジアまで…今年も輸出のジャックポット続く

 韓国の防衛関連企業は昨年、史上最大規模の武器販売契約を締結し、韓国の防衛産業5社の受注残高が初めて100兆ウォン(現在のレートで約10兆1000億円。以下同じ)を超えた。

【図】韓国防衛産業の22-23年の輸出・受注現況

 3月27日に防衛産業界が明らかにしたところによると、ハンファ・エアロスペース、韓国航空宇宙産業(KAI)、LIGネクスワン、大宇造船海洋、現代ロテムの5社の防衛産業受注残高は昨年末基準で合計101兆2160億ウォン(約10兆1800億円)だった。ハンファ・エアロスペースの受注残高52兆6586億ウォン(約5兆2960億円)をはじめKAI(24兆5961億ウォン=約2兆4740億円)、LIGネクスワン(12兆2651億ウォン=約1兆2340億円)、現代ロテム(防衛産業部門・5兆2749億ウォン=約5310億円)は創業以来最大の受注残高を記録した。「K防衛産業」は、昨年1年間で過去最大となる173億ドル(約2兆2660億円)を受注し、こうした流れは今年も続いている。ロシア・ウクライナ戦争を契機として世界が国防予算を増やす中、韓国メーカーの武器が性能と経済性の面で高く評価されているからだ。欧州・中東だけでなく東南アジア・オーストラリアにまで武器販売の領域を広げ、韓国が「自由民主主義の武器庫」の役割を果たしているとの評が出ている。

■欧州・中東にとどまらず豪・東南アジアまで

 韓国の防衛関連企業は優れたコストパフォーマンスと徹底した納期順守を通して、海外諸国のラブコールを受けている。例を挙げると、ロシア・ウクライナ戦争で注目されたLIGネクスワンの対戦車ミサイル「ヒョングン」は、米国製のFGM148「ジャベリン」対戦車ミサイルに似ていて「韓国版ジャベリン」と呼ばれるが、ジャベリンよりも軽く、精度に優れる一方、価格は3分の1の水準だといわれている。また最近、現代ロテムが3カ月繰り上げでポーランドにK2戦車を早期納品したことで、製造工程に対する信頼も得ている。

 今年も防衛関連企業の輸出のニュースは続いている。KAIは2月24日、マレーシアにFA50軽戦闘機18機を輸出する契約を結び、エジプトとは戦闘機46機の輸出交渉を進めている。現代ロテムはポーランドと、K2戦車820両を輸出するための契約を進めている。最近では、特に東南アジアで韓国のメーカーが注目されている。英国エコノミスト誌は「ロシアの武器が東南アジアから消えていくことによる最大の勝者は韓国」と報じた。この地域における伝統的な武器供給国はロシアだったが、ロシア・ウクライナ戦争の後、韓国がロシアを代替する武器供給者になるということもあり得るのだ。また、南太平洋地域における中国の脅威拡大で軍事力を伸ばしているオーストラリアに対しては、ハンファ・エアロスペースが装甲車「レッドバック」の輸出を進めている。

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