今度は変速機に不具合…現代自の新型グレンジャー、9回目のリコール

 現代自動車は20日までに、高級セダン「グレンジャー」で電子式変速システム制御器(SCU)のエラーにより、断続的に変速不能になる不具合が見つかったとして、リコール(回収・無償修理)を実施すると発表した。新型グレンジャーに対するリコールは、 昨年11月以来9回目となる。

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 対象は▲昨年11月15日から今年3月13日まで生産されたグレンジャー▲昨年11月21日から今年3月14日まで生産されたグレンジャーハイブリッド▲昨年12月16日から今年3月21日に生産された新型コナ--の計3万8224台。

 最近の自動車は機械式の変速ではなく、電気的信号で変速する「シフトバイワイヤー(SBW)」が採用されている。グレンジャーではそれを制御するSCUが変速中にエラーを起こして変速不能になったり、計器盤に警告が表示されたりした。

 問題は無線アップデート(OTA)で5分間で簡単に解決できるが、グレンジャーの対象モデルは発売から半年で既にリコールが9回目で、品質管理がずさんだと指摘を受けている。新型グレンジャーはこれまで始動トラブル、バッテリー管理システム(BMS)のエラー、電動トランク未作動、メモリーシートスイッチの設置漏れなどでリコールを8回実施した。

 最近も駐車距離警告機能の未作動でリコールを実施した。自動車制御装置と駐車センサー間の通信不良で生じた問題で、後進時に衝突事故の可能性が指摘された。さらに、後方カメラ映像が正常に映らないエラーも見つかり、各サービスセンターで非公式に無償修理が行われている。

 品質問題にもかかわらず、グレンジャーは人気を集めている。現代自によると、新型グレンジャーは今年第1四半期1-3月に2万9864台、月平均9954台が販売された。現時点で内燃機関車で3-5カ月、ハイブリッド車で10カ月以上の納車待ちとなっている。

 グレンジャーの販売好調は代替モデルがない点が理由に挙げられる。起亜K8が唯一のライバルと目されているが、販売台数でグレンジャーに遠く及ばない。2021年以降、モデルチェンジがなく、新型グレンジャーと競争する上で商品性が不足しているというのが市場の評価だ。

 業界関係者は「相次ぐ品質問題にもかかわらず、グレンジャーの販売が好調なのは、韓国市場の特殊性が理由だ」とした上で、「韓国の自動車メーカーがスポーツタイプ多目的車(SUV)に集中していることから、大型セダンに対する消費者の人気がグレンジャーに偏っているとみられる」と指摘した。

パク・チンウ記者

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  • ▲現代自グレンジャーハイブリッド/同社提供

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