再び「100円=1000ウォン」時代…弱い円よりさらに弱いウォン

 日本からさまざまな機能性塗料や健康食品を輸入し、韓国国内で販売している「アイテックコリア」のキム・セッピョル代表(52)は最近、赤字で商品を納入している。2月までは100円=900ウォン台前半だった円・ウォン相場が最近は1000ウォン前後で推移しているためだ。最近1-2カ月間で6-7%ウォン安が進み、利益を帳消しにした。キム代表は「ウォン安に伴う損害を価格に転嫁することもできず、ひとまずウォンが上昇する日を待ちながら損害を甘受している。昨年から日本商品の注文が大幅に増えたが笑えない状況だ」と話した。

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 昨年弱含んでいた日本円が最近対ウォンでは上昇し、「100円=1000ウォン」時代が再来した。ウォン相場は今月6日、同1001.34ウォンを付け、昨年5月以来11ヵ月ぶりに1000ウォンを割るウォン安となった。一進一退していたウォン相場は27日、再び1000ウォンを割り込み、同1001.61ウォンで取引を終えた。

 通常円高は日本製品の輸出競争力低下につながり、ライバル国である韓国には追い風となる。しかし、最近の円高は「弱い円、さらに弱いウォン」という怪現象に起因しており、韓国経済にはむしろ悪材料として作用する可能性が高いと懸念されている。

■弱い円よりさらに弱いウォン

 外国為替市場では最近、ドル安基調でもウォンと円が同時に下落する異常現象が見られる。世界主要6通貨に対するドルの価値を示すドルインデックスは27日、101.47となり、年初に比べ3%下落した。それに伴い、ユーロ、英ポンド、中国人民元など主要国通貨が年初来、対ドルで強含んでいる。こうした状況下でも、円とウォンだけは軟調だ。21日時点で対ドルでは円が昨年末に比べ2.3%、ウォンが5%下落した。

 代表的な安全資産とされる円が、米地方銀行の連鎖破綻など危機の中でも弱含む主な理由は、日銀の異次元の金融緩和基調が続いているためだ。新任の植田和男日銀総裁は25日、衆院財務金融委員会で「イールドカーブ・コントロール(YCC)による金融緩和を継続することが適当だ」とのべた。YCCは10年物国債利回りの許容範囲を決め、資金を供給する政策を指す。日本はゼロ金利政策も維持している。

 そんな円よりもウォン安が進むのは、海外投資家が韓国経済のファンダメンタルズ(基礎体力)を日本よりも悲観的に見ているからだ。半導体市況悪化、対中輸出減少などが重なり、韓国の貿易収支は13カ月連続赤字で、「最後のとりで」の経常収支でさえ2月まで2カ月連続の赤字となった。海外投資家は世界最高レベルの家計負債と急増する財政赤字も懸念している。 延世大の成太胤(ソン・テユン)教授は「米国との金利逆転が韓日両国の通貨の同時安を誘発している。輸出依存度が日本よりもはるかに高い韓国は経常収支悪化に伴う影響がさらに大きく、対円でのウォン安が起きている」と分析した。

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