韓国の二次電池業界が好況だが、リチウムイオン電池は今年初めて貿易収支が赤字を記録していることが分かった。貿易障壁に対応するため、韓国メーカーが現地工場を増やしたほか、中国製品の輸入が増加した結果とみられる。
韓国貿易協会の貿易統計によると、今年1-4月のリチウムイオン電池の輸出は25億ドル、輸入は29億8000万ドルだった。前年同期比で輸出は19.4%増えたが、輸入の増加幅(104.8%)はさらに大きく、4億8000万ドルの貿易赤字を記録した。
リチウムイオン電池は2012年に品目単独での統計を開始して以来、毎年貿易黒字を維持してきた。その規模は12年の16億ドルから増加傾向が続き、19年には34億3000万ドルでピークに達した。しかし、その後輸入が急速に伸び、貿易黒字規模は昨年には16億5000万ドルまで縮小していた。
LGエナジーソリューション、サムスンSDI、SKオンなど電池メーカーが貿易規制に対応し、海外への現地投資を増やした影響が大きかった。今年1-4月に輸入されたリチウムイオン電池の95%(28億3000万ドル)が中国製だった。そのうち相当部分が、韓国企業が中国で生産したものだという。LGエナジーソリューションは南京、SKオンは常州、恵州、塩城で工場を運営している。
世界最大手の中国・寧徳時代新能源科技(CATL)の製品を採用した韓国製の電気自動車が増えた影響もある。現代自動車グループは昨年、起亜EV6を皮切りにコナ、ニロなどでCATL製電池を搭載した車種を増やしている。
ただ、二次電池のバリューチェーン全般が韓国の輸出有望産業である事実は変わっていないという評価されている。重要素材である正極材の輸出は4月に13億3000万ドルとなり、二次電池の完成品輸出を上回った。業界関係者は「サプライチェーンの変化で、二次電池の完成品と素材の貿易収支は上下する可能性がある。貿易黒字かどうかよりも、どれだけ供給先を多元化できているか、輸出国と輸出規模が増えているかなどを幅広く見る必要がある」と話した。
クォン・オウン記者