国連報告書「中国で性的搾取などを目的に脱北女性を人身売買」

「中国で脱北者は不法移民者に分類」「強制送還を恐れ子供を出産しても支援は受けられず」

国連報告書「中国で性的搾取などを目的に脱北女性を人身売買」

 【NEWSIS】中国で脱北女性は性的搾取や強制結婚などの目的で人身売買の対象になっているという。国連機関が報告書で指摘した。

 国連女性差別委員会(CEDAW)は30日(現地時間)に中国に関する定例の報告書を公開し、その中で「中国は北朝鮮からやって来た女性や少女を性的搾取や強制結婚、妾(めかけ)囲いなどの目的で行われる人身売買の目的地」として懸念を示した。

【写真】サルモン北朝鮮人権報告官「中国に拘禁されている脱北者は2000人」

 中国は東南アジアと並んで脱北者たちの主要な目的地となっており、脱北過程での性犯罪や人身売買などは以前から続く問題だ。ところが国連の機関が中国関連の報告書でこの問題に言及するのは今回が初めてで、その点で注目を集めている。

 報告書によると、脱北女性や少女は「不法移民者」に分類され、中国政府により強制送還される。そのため脱北女性たちが中国で出産した子供は通常だと出生届や国籍の付与、教育、保健などの恩恵は受けられないという。

 この問題についてCEDAWは中国に対し「人身売買の犠牲者となっている脱北女性や少女が移民法違反の犯罪者にならないように保障すべきだ」と今回の報告書で要求している。一時的な滞在許可、医療や教育などの基本的サービス提供も勧告した。

 報告書は中国に対し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)やそれ以外の関連する人道支援団体などと北朝鮮からやって来た人身売買犠牲者との接触を確実に保障することも求めた。

 さらに中国国民と結婚、あるいはその子供を産んだ脱北女性の地位を保障し、子供たちの出生届を行わせて中国国籍を取得させ、差別を受けずに教育や保健のシステムを利用できるよう保障すべきとの意見も報告書に記載した。

 今回の報告書では北朝鮮のほか性的マイノリティー女性、ウイグルやチベット出身女性、障害を持つ女性に対する差別も問題視されている。

 報告書はこれらの女性たちが中国で経済的、言語的障壁にぶつかり、司法サービスからの遮断といった差別を受けていることも指摘した。同時にこの問題に関する情報不足についても懸念を示している

 報告書によると、中国国内の一部裁判所ではドメスティック・バイオレンス(DV、家庭内暴力)などを理由とする女性からの離婚訴訟のうち80%近くが棄却されているという。それだけ女性の証言や証拠、主張は中国で軽視されているようだ。

キム・ナンヨン特派員

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