「火事だ!」…午前5時に裸足で飛び出した韓国29歳男性、7分間で3フロア21戸に避難呼び掛けて56人救う /ソウル

29歳のパク・チヌさん、火災報知器のアラーム音を聞きすぐに行動
ほかの部屋のドアたたき…7分間で3フロアの住民避難させる
「『怖い』と思うより体が先に動いた」

「火事だ!」…午前5時に裸足で飛び出した韓国29歳男性、7分間で3フロア21戸に避難呼び掛けて56人救う /ソウル

 「まさかと思ってズボンだけはいてドアを開けたら、通路が真っ黒な煙でいっぱいでした。 『怖い』と思う前に体が先に動きました」

 4日午前5時ごろ、ソウル市江西区にあるオフィステル(住居兼オフィスビル)の8階で火事が発生した。8階に住むパク・チヌさん(29)は耳をつんざく火災報知器のアラーム音を聞いて目が覚めたという。グレーのトレーニングパンツだけをはき、玄関ドアを開けたパクさんは、通路に充満した煙を見るやいなや、はだしのまま飛び出してほかの部屋のドアをたたき始めた。そして、「火事だ」と叫びながら8階から10階までの3フロアを走り回った。

【写真】上半身裸、裸足のまま避難を呼び掛けるパク・チヌさん

 煙を見て先にオフィステルから脱出することもできたが、「ほかの人々を早く待避させなければいけない」という思いだけだったという。京畿道河南市のある中国料理店で働くパクさんは「普段、火の近くで仕事をしているから、火がどれほど危険なのかよく知っています」と言った。パクさんは煙が上の階にのぼることを思い出し、8階だけでなく9階と10階の住民たちも避難させた。この日、オフィステル火災の通報があった午前5時2分から消防士が到着した5時9分までの7分間に、パクさんが起こして避難させたのは21戸の住民だったという。

 ソウル江西消防署によると、このオフィステル火災は8階に住む住民(64)がつけた蚊取り線香の火が隣にあった可燃物に燃え移ったことにより発生したものだったという。消防関係者は「住民56人はこの日、臀部(でんぶ)に2度のやけどを負った火元の住民を除いて全員、無事避難した」「火災が発生した直後、パクさんが住民を起こして避難させたおかげで、速やかな鎮火に非常に役立った。パクさんは人命救助に大きく貢献した」と語った。

 パクさんは「当然のことをして褒められるな」という言葉を大事にしているという。「怖いという思いより、当然しなければならないことをしただけだと思います」「このように褒めていただけることが恥ずかしいです。私でなくても、誰でも同じことをしたでしょう」と語った。

イ・ミンジュン記者

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