西海に福島の50倍のトリチウムを排出する中国と手を取り合って日本の放流水に反対する共に民主・李在明代表【6月9日付社説】

西海に福島の50倍のトリチウムを排出する中国と手を取り合って日本の放流水に反対する共に民主・李在明代表【6月9日付社説】

 韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は8日に中国大使公邸に出向いて中国大使と面会し、日本の福島原発の放流水問題を取り上げたという。この問題なら日本の大使と面会して自らの考えを伝えるか、あるいはそれなりの要求をすべきではないか。この席で中国大使は「韓国の対中貿易赤字拡大は脱中国が原因」などと訓示とも取れるような発言も行ったという。

【写真】訓示? 10枚分の原稿を読むケイ海明・駐韓中国大使

 李代表はここ最近、3週連続で国会の外で汚染水非難集会に参加している。今月3日には釜山で「汚染水は事実上の核廃棄物だ。核放射性物質が海水に混じっていれば、誰が海雲台を訪れホヤを食べるだろうか」と主張した。「井戸に毒物をばらまいた」と発言したこともある。「安全であるならなぜ海に捨てるのか。飲料水や工業用水、農業用水としてリサイクルすればよいだろう」とも訴えた。この発言の後に世界保健機関(WHO)総会で中国代表は「安全であるならなぜ農業用水や工業用水として使用しないのか」と日本を追及した。李代表の発言をその表現方法に至るまでまねしたのだ。

 野党が原発放流水に反対するために中国側と手を握るのは一言で言えばナンセンスだ。中国に55基ある原発はそのほとんどが韓国西海のすぐ対岸にある中国の東海岸に集中している。ここから排出されるトリチウムの量は福島原発からの排出量の50倍に達する。福島放流水が太平洋を一周して4-5年後に韓国近海に到達する頃には、トリチウムの濃度は通常の海水の17万分の1にまで希釈されるという研究結果もある。これに対して中国から放流されるトリチウムは水深が浅い西海にそのまま流されている。原発の放流水が問題なら、日本ではなく中国の方に先に徹底した浄化処理を求めるべきだ。

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