「警戒警報」が鳴ってもスヤスヤ…騒音でも起きない人、何が原因なのか

 5月31日、(北朝鮮が軍事偵察衛星を打ち上げた際の)警戒警報が韓国の全国民のモーニングコールとなった。ソウル市民は戦争でも起きたのかと混乱したが、中には警戒警報が聞こえなかったという人もいる。このような人たちは、時計のアラームも聞こえない可能性が高い。いったい何が原因なのだろうか?

 騒音に対する反応は人によって異なる。小さな音でもすぐに目覚める人もいれば、隣で歌を歌っても起きない人もいる。研究結果によると、「睡眠紡錘波」と呼ばれる脳波が多く出現する人は、睡眠中に何があっても起きない可能性が高い。睡眠紡錘波とは、脳の視床皮質から睡眠中だけ断続的に発生する8-14Hz(ヘルツ)の脳波だ。

 米ハーバード大のジェフリー・エレンボーゲン教授の研究チームは、睡眠中の騒音に対する個人差がなぜ発生するのかを研究した。健康な成人12人に脳波記録装置を付け、3日にわたって観察したのだ。ベッドの横には被験者に向かって音が出せるよう4つの大きなスピーカーを設置した。

 研究チームは、初日には騒音のない静寂な環境で被験者に寝てもらった。2日目と3日目は(被験者が寝ている間に)電話の音、車や飛行機のエンジン音などの騒音を聞かせた。睡眠を妨害されているという脳波が発生するまで、数秒おきに音を鳴らして徐々にボリュームを大きくしていった。その後、被験者の脳波記録装置を分析した。

 その結果、騒音の中でもよく眠る人の脳では、睡眠紡錘波が通常の人よりも頻繁に出現することが分かった。静寂な環境で睡眠紡錘波の発生率が高かった人は、騒音の中で眠った日も目覚める頻度が少なかった。多少の音では目覚めず、熟睡し続ける被験者もいた。研究チームは睡眠紡錘波が睡眠を保護するために外部の騒音を遮断する役割を果たしていると推定した。

 一方、普段は騒音に敏感なのに今回の警戒警報に気づかなかった人は、睡眠不足の状態だった可能性がある。人は寝ている間、浅い眠りと深い眠りを繰り返す。通常は眠り始めると浅い眠り、深い眠り、浅い眠り、レム睡眠というリズムを1時間30分-2時間の周期で繰り返す。この睡眠周期は、朝が近づくと深い眠りの時間が短くなり、レム睡眠の時間が少しずつ長くなる。

 ところが、睡眠不足になると朝でも深い眠りに入っている可能性が高い。脳を含む全ての臓器は深い眠りの間に疲労を回復するが、睡眠が不足していると強制的に深い眠りの段階に達する。深い眠りでは代謝が顕著に低下し、脈拍、血圧、呼吸も低下する。感覚器官の機能も低下しているため、通常とは異なり外部の音が聞こえない可能性が高い。

オ・サンフン記者
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