1発で金正恩の掩蔽壕を無力化…米軍が公開直後に隠した「超強力バンカーバスター」とは

 米国は超強力「スーパー爆弾」としてMOPのほか「全ての爆弾の母」と呼ばれるGBU43 MOABを開発し、実戦にも投入した。MOABは地下深く貫通して爆発するスタイルではなく、貫通力はMOPより大幅に劣るが、強力な衝撃波とキノコ雲などで敵軍に大きな恐怖心を呼び起こす「心理戦兵器」でもある。

 MOABは本来、大規模爆風(Massive Ordnance Air Blast)の略語だ。しかし、強大な破壊力の比喩として付いた「全ての爆弾の母(Mother Of All Bombs)」という呼び方で広く知られている。長さは10メートル近くにもなり(9.17メートル)、直径も1メートルを超える。米国は2017年4月、アフガニスタンでスンニ派武装組織「イスラム国(IS)」の根拠地を攻撃するため、初めてMOABを実践投入した。戦闘機で投下するにはあまりに大きくて重いことから、MC130特殊戦用輸送機から投下された。

 MOABはたった1発で半径1キロを完全に焦土にできる。半径2.7キロ以内の建物、車両などに深刻な被害が生じ、8キロ以内では窓が破れるなどの被害が発生する。高さ3000メートルのきのこ雲が立ち上り、これは32キロ遠方からでも肉眼で見ることができる。爆発音は48キロ離れた場所でも聞こえるという。韓国軍の消息筋は「地下深くに主要施設が多い北朝鮮の特性から、米国は有事の際、対北朝鮮爆撃にMOABよりもMOPを使用する可能性が高い」と語った。

 米国がMOABを開発すると、ロシアはこれに対抗して2007年「全ての爆弾の父(FOAB/Father Of All Bombs)」と呼ばれる「スーパー爆弾」を開発した。世界の通常爆弾の中で最も大きな威力を持っているということで付けられた別名だ。「父」という名称が付いているのは、米国に対する競争意識が作用した結果だった。

 FOABは米国のMOABに比べ4倍の爆発力を持つが、重さは7.8トンで、MOABより軽い。当時、ロシアの国営放送は「ロシアのスーパー爆弾は7.1トンの爆薬を使っているが、効率の高い新型爆薬を使っているので、8トンの爆薬を使っている米国のスーパー爆弾に比べ爆発力は4倍に達する」と主張した。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

【動画】GBU57 MOPを投下する米B2ステルス爆撃機

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