ソウル・南山の慰安婦追悼公園に「強制わいせつ犯の作品」と説明を付けざるを得ない体たらく【7月28日付社説】

ソウル・南山の慰安婦追悼公園に「強制わいせつ犯の作品」と説明を付けざるを得ない体たらく【7月28日付社説】

 ソウル・南山の韓国統監官邸跡地にある「記憶の場」は、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長時代の2016年、日本軍従軍慰安婦被害者たちのことを記憶にとどめようという目的で造られた追悼公園だ。この「記憶の場」を設計し、モニュメントを製作したのは、「民衆美術人」と呼ばれる画家・林玉相(イム・オクサン)被告だ。林玉相被告は2013年8月に自身の美術研究所スタッフに対して強制わいせつ行為に及んだとして先月起訴され、今月6日の初公判で事実関係を認めた。検察は「犯行経緯・内容・わいせつの程度は決して軽いとは言えず、悪質だ」として懲役1年を求刑した。強制わいせつ犯が「慰安婦」の苦難を記憶にとどめようというモニュメントを製作しただなんて話にならない。

【写真】慰安婦被害者たちのために製作された強制わいせつ犯・林玉相被告の作品「大地の目」

 林玉相被告は2016年6月の「記憶の場」起工式で、「女性とは何か、傷とは何か、ハルモニ(慰安婦被害者)たちが望むことは何かについて悩み、アイデアの糸口をつかんだ」と言った。これほどの偽善があるだろうか。同被告は「瞬間的な衝動だった」と述べて罪を認めたが、少なくとも慰安婦追悼公園やモニュメント製作だけは断るべきだった。文在寅(ムン・ジェイン)氏は大統領就任後、林玉相被告が描いた朴槿恵(パク・クンヘ)大統領弾劾ロウソク集会の絵を青瓦台(韓国大統領府)本館に掲げた。清渓川にある労働運動家・全泰壱(チョン・テイル)烈士像、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の墓石、共に民主党本部の金大中(キム・デジュン)元大統領、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の胸像なども同被告が製作した。こうしたことがあってか、親・盧武鉉系関係者らは強制わいせつ犯の慰安婦追悼公園・モニュメント製作という衝撃的な偽善に一斉に沈黙している。

 林玉相被告が製作した絵・壁画・彫刻・モニュメントなどの美術作品は韓国の全国各地にあり、ざっと数えても100作品前後に達するという。京畿道広州市にある、慰安婦被害者たちが暮らす施設「ナヌムの家(分かち合いの家)」にも林玉相被告が慰安婦被害者たちのために製作した「大地-母」という連作の一つが展示されている。ほかはともかく、自身の美術研究所スタッフに対して、威力をもって強制わいせつに及んだ人物が作った慰安婦被害者のモニュメントをそのままにしておくなどということは、あり得ないことだ。それは被害者に対する冒涜(ぼうとく)だ。林玉相被告は自分の罪を認めているだけに、関連作品は速やかに撤去すべきだろう。また、林玉相被告の罪はほかでもない強制わいせつだけに、別の美術作品の中でも女性や人権に関するものをそのままにしてはならない。あえて林玉相被告の作品を残しておかなければならないというなら、慰安婦追悼公園とモニュメントの隣に、同被告の強制わいせつの事実を告げる説明文を別途に設置すべきだろう。

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