ソウル市、「強制わいせつ」画家・林玉相の作品6点を来月撤去へ

日本軍従軍慰安婦追悼公園「記憶の場」モニュメントも撤去推進

ソウル市、「強制わいせつ」画家・林玉相の作品6点を来月撤去へ

 強制わいせつで起訴され、裁判を受けている画家・林玉相(イム・オクサン)被告(73)の作品について、ソウル市が撤去することを決めた。ソウル市は「市立施設に設置された林玉相被告の作品6点を8月から順次撤去することを決めた」と28日に発表した。同市は撤去決定の理由について、「社会的に物議を醸したアーティストの作品を維持・保存することは公共美術の趣旨に合わないと判断した」と説明した。

【写真】日本軍従軍慰安婦追悼公園に設置されたモニュメント「大地の目」など林玉相被告の作品3点

 撤去対象となる作品は、ソウル・南山の日本軍従軍慰安婦「記憶の場」追悼公園に設置された「大地の目」と「世の中のへそ」、ソウル・西小門庁舎前の「ソウルを描く」、麻浦区ハヌル公園の「空を入れる器」、城東区のソウルの森にある「バリアフリー公園」、光化門駅の「光化門の歴史」の計6点だ。

 ソウル市は作品6点すべてについて撤去を推進する。

 ただし、市民1万9755人の寄付金により南山・日本軍従軍慰安婦「記憶の場」追悼公園に設置された「大地の目」と「世の中のへそ」については、寄付者と作品設置推進委員会の意見を聞く手続きを経る方針だ。

 林玉相被告はいわゆる「ロウソク画家」と呼ばれる民衆画家だ。2017年の光化門広場における朴槿恵(パク・クンヘ)大統領弾劾ロウソク集会を描いた大型絵画作品が文在寅(ムン・ジェイン)前大統領時代に青瓦台(韓国大統領府)本館に掲げられ、広く知られるようになった。

 しかし、林玉相被告は2013年に自身の美術研究所で働いていたスタッフAさんに対して強制わいせつ行為に及んだとして先月、在宅起訴された。そして、今月6日に行われた初公判で事実と認め、検察は懲役1年を求刑した。

 林玉相被告の強制わいせつ事件が公になるや、各公共機関・施設に設置された作品を撤去すべきかどうかが問題になっている。

 国会図書館では、林玉相被告の初公判が行われた後、11日に館内の廊下に展示されていた同被告の作品を直ちに撤去した。

 同被告の作品の中でも、慰安婦被害者追悼のために設置されたモニュメントがある南山の追悼公園「記憶の場」が特に問題となっている。「強制わいせつ事件を起こした人物が製作した慰安婦追悼作品が公共の追悼空間に設置されているのは不適切だ」という声が上がっているためだ。

 「記憶の場」は、ソウル・南山の韓国統監官邸跡地に造られた日本軍従軍慰安婦を追悼するための場所だ。ここに設置されている「大地の目」というモニュメント作品には慰安婦被害者247人の氏名などが刻まれている。故・朴元淳(パク・ウォンスン)氏がソウル市長を務めていた2016年に建てられた。

キム・フィウォン記者

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