韓国検察「史上類を見ない最悪の反民主選挙」 宋哲鎬元市長に懲役6年・黃雲夏議員に懲役5年求刑…蔚山市長選介入事件

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の青瓦台による蔚山市長選介入事件に対する一審が11日に結審した。検察が起訴してから3年8カ月を要した。

 同日の論告求刑公判で、検察は主犯格の宋哲鎬(ソン・チョルホ)前蔚山市長に懲役6年、黄雲夏(ファン・ウンハ)元蔚山警察庁長(現・共に民主党国会議員)に懲役5年、白元宇(ペク・ウォンウ)元青瓦台民情秘書官に懲役3年をそれぞれ求刑した。また、韓秉道(ハン・ビョンド)元青瓦台政務首席秘書官、朴炯哲(パク・ヒョンチョル)元民情秘書官、李震錫(イ・ジンソク)元大統領秘書室国政状況室長についても懲役1年6月をそれぞれ求刑した。一審判決は11月29日に下される。

【表】文政権時代の青瓦台を舞台とする蔚山市長選介入事件…主な被告の起訴事実と検察の求刑

 問題の事件は2018年の統一地方選で文在寅政権の青瓦台の8部署が民主党の蔚山市長候補、宋哲鎬氏を当選させるため、「野党候補に対する標的捜査」「公約支援」「与党内のライバル候補買収」といった方法を使い、組織的に選挙に介入したものだ。蔚山市長選では宋氏が当選し、事件の捜査と裁判が遅れる間、市長の任期(4年)を全うした。宋氏は昨年の蔚山市長選にも出馬し、再選に失敗した。

 事件の訴状には、文在寅前大統領の名前が35回も登場する。文前大統領は2014年、国会議員再・補選当時、蔚山市から出馬した宋氏のトークライブに参加し、「30年という長い時間を共にしてきた心強い同志」だとし、「宋候補の当選を願っている」と発言した。

 検察は被告15人全員に実刑を求刑し、「最上位の権力機関を動員した標的捜査、自分だけに都合の良い公約設計と対立候補中傷など例がない最悪の反民主的な選挙」だと指摘した。続けて「宋市長は4年の任期を終えたが、厳格な法の審判を受ける順番であり、他の被告も見返りとして公職を与えられ、その職にあるが、応分の代償を払うべき時だ」と主張した。

■宋哲鎬被告ら最終弁論で起訴事実否認

 宋哲鎬前市長は最終弁論を通じ、「(2017年9月に)初めて会った黄雲夏氏に当時の金起ヒョン(キム・ギヒョン)市長に対する捜査を積極的に行ってほしいという話をした事実はない」とし、「(警察への)情報提供などがあったのか、この事件の捜査が始まるまで全く知らなかった」と述べた。


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  • ▲写真=宋哲鎬元市長と黃雲夏議員
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