筋肉が多いとアルツハイマー病にかかりにくい…6万人を分析

 老年型認知症とも呼ばれるアルツハイマー病の発症は、遺伝的な要因、血圧、糖尿、肥満、喫煙、聴力障害など、さまざまな要素の影響を受ける。それでは筋肉量はどうだろうか。筋肉量は、だいたい除脂肪体重を用いて測定されるが、これは全体体重から脂肪量をを引いたものだ。主に体内の骨格筋量と筋肉量を反映している。

 最近、英国医学会誌の内科編に除脂肪体重とアルツハイマー病発症リスクの関係を調査した研究結果が発表された。研究チームは、英国人45万243人の遺伝子を分析し、除脂肪体重を反映する遺伝子変異584個を見つけ出した。発見した遺伝子変異を利用し、アルツハイマー病にかかった英国人2万1982人と病気にかかっていない4万1944人を調査し、除脂肪体重の変化によるアルツハイマー病の発症リスクを分析した。

 研究の結果、除脂肪体重が標準偏差1単位高まるにつれて、アルツハイマー病の発症リスクは12%減少した。除脂肪体重とは異なり、脂肪量や全体体重はアルツハイマー病と関連がなかった。除脂肪体重が高いほど筋肉量が多く、血糖管理を難しくするインスリン抵抗性を下げ、心血管機能はよくなる。筋肉で分泌される有益なホルモンの作用もアップする。こうした要因により、アルツハイマー病の発症率を下げることができると推定される。

 骨と筋肉をつくることは、短時間ではできない。認知症発症リスク要因が生じる中年期からコツコツと運動し、筋肉をたくさんつくっておくと、老年期に認知症で苦労しなくて済む。年齢を重ねても運動をすれば筋肉が生じるので、高齢者も除脂肪体重を改善できれば、認知症発症リスクを低下させることになる。

イ・ウンボン・ソウル大学病院内科教授
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  • ▲米国アルツハイマー治療財団によるアルツハイマー病のイメージ。/朝鮮日報DB

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