「不逮捕特権放棄」「水産物は一生口にしない」 その言葉、本気だと思ったの?【朝鮮日報コラム】

 李在明代表は福島汚染処理水の放出を「太平洋戦争」と呼んだ。日本が銃と刀の代わりに「海洋汚染」で人類を殺戮(さつりく)すると言った。水産物を食べると命が危ないという警告だ。民主党議員らは「セシウムクロソイ、お前が食べろ」 「いっそ○○(大便の卑語)を食べる」と同調した。800万人のフォロワーを持つグルメユーチューバーが空気を読まずにズワイガニを食べる動画をアップして責められた。野党支持のネットユーザーから「この時期に何も考えず水産物か?」「(大統領選で)2番(尹錫悦=ユン・ソンニョル)に入れたやつか」などというコメントで攻撃を受けた。

 李代表と民主党の人々は、どの時点でどんな言い訳をして水産物を食べ始めるのか気になった。少なくとも当分は自宅で家族とこっそり食べるだろうし、人目がある場所での外食は避けると推測した。ところが汚染水の放出が始まって1週間たったある日、糾弾集会に先立ち、刺身屋で会食をしたという。李代表は「本当においしかった」という文字とともにサインを残して店を出た。ズワイガニを食べたことを非難した人が今度は「汚染水を批判することと水産物を食べることに何の関係があるのか」と李代表をかばった。「禁酒キャンペーンをしながら酒を飲むことが問題なのか」と言い張るのと同じだ。

 「言行」という単語があるのは、発言と行動は一体だからだ。自分が吐いた言葉に反して行動するには、苦しい言い訳が必要になる。李在明代表は違う。 一言も弁解せずに堂々としている。なぜ発言と違うのかと尋ねると「その言葉が本気だと思ったのか」と返す。言葉の聞き方を分かっていないと叱られるわけだ。「尊敬する朴槿恵(パク・クンヘ)大統領」という自身の発言が論議を呼ぶと、「本当に尊敬していると思われるなんて」と釈明した。自由な意思表示のために党に「議員を公に批判するプラットフォーム」を作るという計画が批判を受けた際には「面白くしようと思い言ったことで針小棒大だ」と発言を覆した。李代表に「不逮捕特権を放棄するという国会演説はどうなるのか」「海が放射能に汚染されたというのに水産物をなぜ食べたのか」と聞きたい。そうしたら「本気だと思ったのか」とくすくす笑われるのではないかと思うと恐ろしい。

金昌均(キム・チャンギュン)記者

【写真】「不逮捕特権放棄」を約束(6月19日)、刺身店で会食(8月30日)した李在明代表

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