韓国大手ポータルサイト「ダウム」で中国応援9割超、韓国政府が世論操作防止に向け作業部会設置

韓悳洙(ハン・ドクス)首相「ドルイドキングのような捏造(ねつぞう)事件は繰り返されてはならない」
韓国放送通信委員会「ポータルサイトは世論の捏造に脆弱(ぜいじゃく)」

 中国杭州で開催されているアジア大会で今月1日に行われた男子サッカー準々決勝の韓国対中国の試合中、韓国の大手ポータルサイト「ダウム」で中国を応援するクリック数が異常な形で多くなった。この問題を受け韓国政府は4日に部処(省庁)横断のタスクフォース(作業部会)を立ち上げ、「世論の歪曲(わいきょく)防止対策」に取り組むことを決めた。現在表面化しているのはサッカーの応援捏造(ねつぞう)だが、ポータルサイトの弱みを悪用し、選挙などに影響を及ぼしかねない世論操作も今後可能になるとの判断から、政府として対策に乗り出したのだ。

 韓悳洙(ハン・ドクス)首相は4日午前に国務会議(閣議に相当)を開き、放送通信委員会の李東官(イ・ドングァン)委員長から今回の応援捏造に関する緊急の分析結果について報告を受けた。同委員会によると、今月1日のサッカーの試合について「海外勢力」がVPN(仮想プライベートネットワーク)を通じて自らのIPアドレスを見えない状態にし、韓国ユーザーになりすまして「ダウム」に間接的にアクセスしたという。その上でパソコン上と同じような作業を自動で繰り返し行うマクロ(自動化プログラム)を利用して中国を応援するクリックが大量に行われたというのだ。「ダウム」を運営するカカオが当時の応援クリック3130万件のうち2294万件のIPアドレスを確認したところ、オランダの1カ所から1539万クリック、日本の1カ所から449万クリックがあったという。いずれのIPアドレスもその利用者が実際にどこから操作したかは確認できていない。

 放送通信委員会は「カカオは『1人当たりの応援クリック回数に制限を設けないミスが原因になった』と説明しているが、韓国のポータルサービスが世論の捏造に極めて脆弱(ぜいじゃく)という事実が改めて浮き彫りになった」と指摘した。韓首相はかつての「ドルイドキング事件」のような問題が再発しないよう直ちにタスクフォースを立ち上げることと、フェイクニュース防止の義務づけなど法律面での対策と再発防止策を取りまとめるよう指示した。

 韓国与党・国民の力の劉相凡(ユ・サンボム)首席報道官は「カカオは韓国最大のメッセンジャーアプリ(カカオトーク)やポータルを運営するなど、世論の形成に大きな影響力を行使するにもかかわらず、管理・監督の責任を怠ったため今回の問題が起こった」とした上で「実際に中国による捏造の動きがあったのかしっかり確認すべきだが、カカオに対しても厳重に責任を追及すべきだ」と要求した。

キム・ギョンピル記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲韓悳洙(ハン・ドクス)首相/ニュース1

right

あわせて読みたい