韓国の外貨準備、こんなに浪費してもよいのか【コラム】

 米国の政策金利5%台という高金利環境でドル以外の通貨は軒並み下落している。過去1年間で日本円(-3.2%)、中国人民元(-2.0%)、台湾元(-1.5%)は対米ドルでそれぞれ下落した。反対に韓国ウォンは5%上昇した。韓国だけが自国通貨高に誘導するために緊急時のドル資金を使い果たすことが正しい政策なのかは疑問だ。韓米間の金利逆転がさらに拡大し、米国の高金利が長期化すれば、為替防衛努力自体が無駄になりかねない。現在、外貨準備高は国際通貨基金(IMF)が勧告する適正水準に達していない。現在韓国の対外債務は6500億ドルに上る。企業のドル建て債務は1550億ドルだ。外貨準備高をまるで当座貸越のように取り崩して使っている場合ではない。現在のような一方的なドル売り介入は「異常なウォン高」と見なされ、為替投機勢力に餌食になり得る。囲碁に例えると、相手に次の手を明らかに読まれるに等しい。

 今回の為替防衛局面におけるもう一つの異常は、政府がドルを売った資金で税収の穴を埋めていることだ。ドルを売ってウォンに換えた資金は外国為替平衡基金に入金されるが、政府は税収不足分を埋めるため、外国為替平衡基金の20兆ウォンを投入することを決めたのだ。結局ドルのへそくりをはたいて歳出に充てる格好だ。一部には赤字国債を発行せずに税収の穴を埋める「妙手」との見方もあるが、果たしてそうなのか。妙手というよりは「財政粉飾」に近い。為替防衛に貴重なドルを浪費し、ドルを売った資金で税収の穴埋めをする昨今の為替政策は再考が必要だ。

キム・ホンス記者

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