北朝鮮レストラン女性従業員を7年間「推し活」、国家保安法違反の疑いで52歳韓国IT企業経営者逮捕 

ミャンマーの北朝鮮レストランに通い北朝鮮偵察総局所属の副社長により取り込まれる
7年にわたりドル、麻薬、医薬品を提供した容疑で50代のIT経営者を逮捕

 韓国のあるIT企業社長(52)は2016年、事業目的でミャンマーに行き来したことをきっかけに現地の北朝鮮レストラン「清流館」の女性従業員と親しくなった。社長はこの女性従業員に「一目ぼれした」と声を掛けた。これに目をつけたレストランの副社長が社長に接近した。副社長は北朝鮮の対南工作を総括する偵察総局所属だった。女性に熱を上げる社長は、副社長が自らを「偵察総局所属」と明かしたにもかかわらず接近を拒否しなかったため、二人は非常に親しくなった。社長はその後副社長が経営するレストランにドルなどの現金やさまざまな物品を提供したという。

【写真】東南アジアで営業中の北朝鮮レストラン

 ソウル警察庁安保捜査課は18日、韓国政府や公共機関などにプログラムを納品するIT企業社長を国家保安法、麻薬類管理法、薬事法違反容疑で逮捕・送検した。社長は2016年から7年にわたり、この副社長と女性が働いていたミャンマー、ラオス、中国の北朝鮮レストランに100回以上通い続けた。社長は北朝鮮レストランに4800万ドル(約72億円)の現金と2070万ウォン(約230万円)相当の公演用小道具、衣類、麻薬類、医薬品などを提供した疑いがある。社長が北朝鮮レストランに提供した資金の一部は実際に北朝鮮に送金されたと警察はにらんでいる。ただし社長が韓国政府に納品したプログラムが北朝鮮に流れたかは確認されていない。

 社長は副社長と女性従業員がミャンマーから他国のレストランに異動するたびに付いて回ったという。警察によると、社長と副社長は別のレストランで働く女性従業員のスリーサイズなどの情報を共有するほど親しくなったようだ。二人はセキュリティーのため互いの呼び名もたびたび変更していた。社長は周囲に「私は北朝鮮レストランの小さな社長」と普段から口にしていたという。社長は副社長の指示を受け韓国の主要な脱北民団体との接触も試みた。自らのブログなどを通じて副社長が経営する北朝鮮レストランを11回宣伝し、韓国からの客の誘致にも取り組んでいたという。

 警察は北朝鮮の朝鮮労働党創建日の10月10日、社長が花束を手にレストランに入る様子や、社長が北朝鮮大使館関係者と同じ時間にレストランにいたとみられる様子なども確認した。

 警察は社長だけでなく、物品の送付を支援した2人の社員についても麻薬類管理法違反などの容疑で書類送検した。警察は「海外の北朝鮮レストランは北朝鮮の外貨稼ぎの窓口であり、工作機関の拠点だ。このことをはっきり知っておくべきだ」とコメントした。

キム・スギョン記者

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  • ▲イラスト=パク・サンフン
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