ハロウィーン梨泰院雑踏事故を反面教師にした渋谷

午後4時にはコンビニの棚から酒類撤去・販売中止

 10月31日午後7時、東京・渋谷駅にある「忠犬ハチ公」像は高さ3メートルほどの白いテントで囲まれていた。普段は200-300人が友人や恋人を待つ待ち合わせ場所だ。しかし、ハロウィーン・デーだったこの日、ハチ公の銅像があるハチ公広場全体が白いテントで覆われ、中をのぞくこともできなかった。テントには「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」という横断幕が掲げられていた。現場に立っていた東京都渋谷区の職員は「ハロウィーンなので人々が最も多く集まるハチ公広場全体を閉鎖した」「安全のために今日は見ることができないが、明日来ればハチ公像の前で記念写真を撮ることができる」と言った。

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 ここから30-40メートル歩く間に制服を着た日本の警察官10人余りに会った。4-5メートル間隔で配置された警察官は拡声器で「止まらずに歩き続けてください」と言った。少しでも止まって写真を撮ろうものなら、警察官がすぐに近づいてきて「ここで止まってはいけません」と注意した。

 渋谷は韓国の梨泰院のように、ハロウィーンの時期に国内外の人々が集まる有名スポットだ。渋谷区役所はかつて、「ハロウィーンを渋谷の誇りに」という看板や横断幕を駅周辺に掲げ、先頭に立ってハロウィーンのムードを盛り上げた。一日平均乗降客数が300万人に達する渋谷駅を中心に、若者たちが映画や漫画のキャラクターに扮(ふん)してスクランブル交差点で写真を撮った。だが、昨年の梨泰院雑踏事故を受けて、渋谷区役所は「ハロウィーン」よりも「安全」を選んだ。梨泰院のような事故が渋谷でも起こりかねないという危機感があったからだ。

 渋谷区の長谷部健区長は今年9月と10月に2回、記者会見を開き、「ハロウィーンの時に渋谷に来ないでほしい」と呼びかけた。同区長は「ハロウィーンが多くの人に愛される日であることをよく知っているので、区長として非常につらいが、安全を第一に考えた」「(渋谷に人々が集まれば)韓国・梨泰院と同様の雑踏事故が起きてもおかしくない」と言った。

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