中国の首都圏で発生した今回のスモッグは先月22日から始まった。30日に京津址中南部と河南省北部は空気質指数(AQI)が6段階のうち第4-第5段階にまで悪化し、一部地域では可視距離が50メートルにも満たなくなった。これは自動車の運転が難しくなるレベルだ。中国環境観測センターによると、1日午後に北京市内のPM2.5濃度は1平方メートル当たり150マイクログラムを上回った。
中国の気象当局は今回のスモッグの原因を「産業活動の増加」とみている。10月下旬以降、京津址での工業電力使用量は同月初めと中旬に比べて5%増加し、中でもセメントやれんがなどの生産に必要な電力使用量が急増したという。貨物トラックの運行や農業用のエネルギー使用も増加した。中国は経済活動の再開に合わせて大気汚染の取り締まりを以前よりも緩和しており、晩秋と冬は中国でスモッグ発生日が例年以上に増えるとの懸念も高まっている。
最近中国は経済成長率が低下し、経済危機に直面しているとの見方もある。中国で経済成長率を簡単に引き上げる方法は「煙突のある工場の稼働」を増やすことだが、セメント工場などは北京市周辺に多く集まっている。また冬に入ると中国の大都市では一斉に暖房が始まるが、その多くが石炭を使用するためPM2.5なども一気に増える。最近の気象条件の変化もPM2.5の発生に影響を及ぼしている。今年京津址では冷たい空気の流れが弱く、地表の気温が例年よりも高いため、汚染物質が長く蓄積されたとの見方もある。
問題はこの時期に韓半島に向かって吹き付ける風が北西風あるいは西風になることだ。そのため春や夏に比べて中国からスモッグが流入する可能性が高まる。韓国気象庁の関係者は「秋になれば真夏の北太平洋高気圧のように特定の空気の塊が韓国を覆うようなことはない。そのため韓国は常に風の通路となるため、中国から流入するPM2.5の影響もそれだけ大きくなりやすい」と説明した。
パク・サンヒョン記者、北京=イ・ボルチャン特派員