大韓民国は詐欺王国? どこまで真実か【寄稿】

 このような側面から見ると、「韓国は日本に比べ詐欺事件10倍起きている」という事実も異なった見方ができる。国連犯罪動向調査によると、日本の20年の詐欺犯罪発生件数は3万468件で、韓国の8.6%にすぎない。10万人当たりで計算すると、日本は24件で、韓国の683件と比べると3.5%にすぎない。19年の犯罪全体に占める詐欺の割合が日本が4.3%であるのに対し、韓国は30.1%とはるかに高い。それで「大韓民国は詐欺共和国なのか」と恥ずかしくなる。しかし、日本の司法機関は個人の告訴・告発を簡単に受理しないほか、訴訟よりも交渉と調整を通じて問題を解決することをはるかに好む日本の文化的特性を考慮すれば、韓日の詐欺犯罪の差は数字よりはるかに小さい可能性がある。

 しかし、韓国社会が詐欺に脆弱だという点は事実だ。大韓民国は国際的に比較すると、人に対する信頼度が低い。22年に国際的な市場調査会社イプソスが実施した「大半の人を信頼できますか」という質問に対し、「できる」と答えた割合は韓国が23%で、世界平均(30%)に比べ低かった。問題は我々は他人を信頼しない低信頼社会であるにもかかわらず、人々の行動様式と認識は高信頼社会と似ている点だ。

 低信頼社会では相手を信じられないため、さまざまな補完手段を使う。全ての事柄において、文書と公証を通じて義務・権利関係を明確にし、さまざまな方法で相手を検証し保証の手段を整える。当然時間と費用がかかるが、それを当然だと思う。韓国の場合、「信頼」を掲げ、契約書作成をはじめとする各種手続きを無視することが多く、安全性確保を目的とする専門家の介入と費用の支出を敬遠する傾向が強い。そして事件が起きると、司法体系に事件の究明と処罰を押し付けている。その過程で司法体系に加わる負担が増し、事件処理が遅れ、その結果に対する不満も高まっている。システムが取り合ってくれないと責める前に、低信頼社会にふさわしい行動様式と認識を備えることが自分を守る第一歩だろう。

チェ・ジュンヨン 法務法人律村専門委員

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