10代より熱狂的な韓国50代…少子化が変えたK-POPファンダム

K-POP市場にも人口減少の余波

 1970年代生まれのファンたち(Xティーン)は特に、歌謡界の「代理消費者」とされる。子どもがまだ学生で、OPAL世代よりも最新のファンダム文化になじんでいるXティーン世代は、子どもにはアイドルの公演チケットを、親にはイム・ヨンウンの公演チケットを代わりに購入してやるという役割を果たしているからだ。10代の小学生ファンが多いことで有名なガールズグループIVE(アイヴ)の最新1stミニアルバムのCD(実物)は、韓国の通販サイト「アラジン」で、40代女性(39.3%)に次いで40代男性(12.8%)が多く購入した。

 少子化現象は、韓国の音楽関連企業の海外進出をも後押ししている。韓国の10代ファンは減少の一途をたどっているため、その空白を海外のファンで埋めるというわけだ。韓国の童謡で初めて米ビルボードのHOT100チャート(32位)に入った『サメのかぞく』を手がけたPINK FONGも、たびたび「韓国の出生率(合計特殊出生率=1人の女性が生涯に産む子どもの推定数)が低下しているため、海外に進出するほかなかった」と話していた。

 一部の新人アイドルは、デビュー直後から海外ファンの人数と活動が韓国のファンを上回っている。今年7月に音楽専門チャンネル「Mnet」のオーディション番組『BOYS PLANET』を経てデビューしたボーイズグループZEROBASEONE(ゼロベースワン)は、ファン投票で海外ファンの投票率が韓国ファンの投票率よりも高かった。ある公演企画会社の関係者は「各種の規制や政治的な変化などの不安要素があるにもかかわらず、中国や中東地域が未来の有望市場として注目されているのは、若くて消費力のある世代の人口が多いからだ」と話した。

 歌謡界の練習生の人数や国籍にも影響は及んでいる。韓国の芸能プロダクション大手「SMエンターテインメント」が運営するK-POP専門養成学院は今年6月、第1期の練習生120人を選抜したが、韓国人が36人、外国人は84人だった。韓国の音楽チャート「サークルチャート」のキム・ジンウ首席研究委員は「韓国の高齢者層と青年層の人口グラフが逆転の曲線を描き、韓国で若い練習生を探すのが困難になっている。多国籍グループを売り出す企業が増え続けているのも、この状況と無関係ではない」と話した。

ユン・スジョン記者

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  • ▲昨年開催された「K-POPカバーダンス・フェスティバル」で、グループでダンスを踊る参加者たち。韓国では10代の人口が減少し、40-60代よりもファンダムの勢いが弱まる一方、海外では10代のファンの割合が高まっている。/NEWS1
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