野球:左打者には左投手?  統計的には間違っている

ロッテ諮問委員を務める統計学者チャン・ウォンチョル教授
「現場の意見とデータ分析を融合」

 チャン教授は「これまで1番にはとにかく足の速いバッター、4番はホームランバッターを置いたものだが、今ではチームごとにさまざまな打順の組み方が試されている。左打者には左投手、右打者には右投手が起用されていたのも、もはや正解とは言えない」と指摘する。米大リーグの強打者ジャスティン・ターナー(ボストン・レッドソックス)やJ・D・マルティネス(LAドジャース)のケースに触れ「どの角度でボールを打てば打球を遠くまで飛ばすことができるかをデータ解析した後、ミートの際の打球角度を一定に保つ練習を集中的に行い、『キャリア・ジャンプ』を成し遂げた選手たちだ」と笑ってみせた。

 ロッテには、選手別にパーソナライズされた評価指標を作りたいと提案した。例えば、先発投手の球数が100球を超えたからといって変えるのではなく、ある投手はボールの回転数が低下した時、ある投手は腕の角度が一定数値以下に落ちた時など、選手ごとに異なる基準を統計的に分析し、適用していかなければならないということだ。選手別のデータを活用し、「期待失点」を算出すれば可能だという説明だ。その一方で「現場との疎通がデータ分析に勝るとも劣らないくらい重要だ」と付け加えた。いくら立派な分析技法を開発し、データを提示したとしても、これを現場の言語に置き換えて伝達し、説得できなければ、何の役にも立たないということだ。チャン教授は「現場の指導者たちに難しい統計学用語を使わずに『こういうときはこうしろ』と直観的に説明できなければならない」とし「その助言に従うかどうかは、あくまで現場の判断に任せなければならない」と言う。

 同教授は有名な二つの野球映画『マネーボール(Moneyball)』と『人生の特等席(Trouble with Curve)』に触れ、次のように語った。「『マネーボール』は『データ野球』を代表する映画であり、『人生の特等席』は野球が数字だけで行うスポーツではないということを示す映画です。二つの映画が物語っている教訓の間で適切なバランスを見いだすことが、成功する野球チームをつくる道です」

キム・ヨンジュン記者

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  • ▲プロ野球ロッテの諮問委員を務めるソウル大学のチャン・ウォンチョル教授。/キム・ヨンジュン記者

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