文前大統領「ぜひ読みたい」　無罪主張本を出版した尹美香議員とツーショット

　日本軍慰安婦被害者のハルモニ（おばあさん）たちに対する後援金を横領したとして、二審で議員職喪失に相当する刑の宣告を受けた尹美香（ユン・ミヒャン）議員＝無所属＝が、自身の無罪を主張する本を出した。尹議員はSNS（交流サイト）に、文在寅（ムン・ジェイン）前大統領と会って同書を届けた写真をアップロードし、事実上、著書のPRを行っている。文・前大統領は、同書を「ぜひ読んでみたい」と言ったといわれている。息子・娘の入試不正により一審で実刑を言い渡された後、最近総選挙出馬を示唆したチョ・グク元法相をはじめ、韓国政界における司法無視の行動は度を越しているとの批判が出ている。

【写真】文在寅前大統領と尹美香議員の2ショット

　尹議員は今月5日、フェイスブックに「平山に行ってきました。相変わらずのほほ笑みで喜んで会ってくださいました」と書き込み、文・前大統領と共に撮った写真を数枚アップロードした。尹議員はさらに「『尹美香とチョウの夢』にサインしてくださいました。ぜひ読んでみたいとおっしゃっています」「いずれ、文大統領の書評もアップしましょうか？」と記した。

　尹議員は今年10月、自身の無罪を主張する『尹美香とチョウの夢』という著書を出した。著書の目次は「無罪、無罪、無罪で終わった魔女狩り」「私は無罪だ」「検察言論の魔女狩二り」など、自身の無罪を主張する内容からなっている。出版社は内容紹介で「今、彼らがかぶせた『魔女』のフレームを壊し、隠された真実と向き合うとき」とコメントした。

　だが尹議員は今年9月の二審で、議員職喪失刑に該当する懲役1年6カ月、執行猶予3年を言い渡された。罰金刑が出ていた一審よりも横領認定額は8000万ウォン（現在のレートで約920万円。以下同じ）と増え、人件費の計算を偽って国庫補助金6500万ウォン（約750万円）を違法に受領した点も追加で有罪とされた。

　また、慰安婦被害者の金福童（キム・ボクトン）ハルモニの弔慰金という名目で、1億3000万ウォン（約1500万円）の募金を個人名義で違法に集め、関連のない用途で消費した疑いも持たれた。尹議員は動物病院、菓子店、コーヒーショップで使った金の正当な使途を立証できず、裁判部はこの金を個人的に用いた可能性があると判断した。