韓国預託決済院によると、最近5年間で韓国株式市場の個人投資家は502万人から1424万人へと3倍近くに急増した。コロナ前は500万~600万人だったが、コロナと共に急増し、昨年は1400万人を突破した。
個人投資家が増えるということは、市場の性格自体が変わることを意味する。市場の偏りが激しくなり、バブルが生じるなど価格効率性が低下する恐れがある。実際に資本市場研究院は個人投資家が急増した2020年3~10月に20万人の投資パターンと収益率を分析した。その結果、個人投資家は機関投資家とは異なり、「過剰確信(実際より誇張して確信を持つ傾向)」「宝くじ型の銘柄選択」といった非合理的な投資形態が目立った。匿名の株式市場専門家は「株価が上がることを期待する個人投資家と株価上昇に冷や水を浴びせる空売りは元々相性が合わない」と話す。
■個人の空売り参加は慎重に
一部の個人投資家は空売り投資が外国人や機関投資家に有利な「傾いたグラウンド」だとして改善を要求している。個人が空売り目的で株式を借りる際、外国人や機関投資家に比べ、高い担保を要求され、返却期限も短いという不満だ。金融当局は空売り禁止期間に個人に不利な制度を改善すると説明している。
しかし、制度が見直されても個人が積極的に空売りを行えるかどうかは未知数だ。株価下落に賭ける空売りは元々が資本力と専門性を備えた機関投資家の領域だ。韓国だけでなく、金融先進国でも個人の空売り投資は推奨していない。株式投資は株価が下がれば下落幅分だけ損をするが、空売りの場合、最悪元本以上の損失が出る恐れがある高リスク投資だからだ。
資本市場研究院のイ・ヒョソプ金融産業室長は「株価下落に賭けるには、企業に対する高度な分析能力が必要だが、個人投資家は機関機関投資家に比べ、そうした能力が不足している」とした上で、「たとえ個人に機関投資家と同様に空売りできる資格を与えるとしても、ヘッジ(リスク回避)目的の空売りが大半を占める機関投資家のように安定的な収益を上げることは難しいはずだ」と指摘した。
金垠廷(キム・ウンジョン)記者、金智燮(キム・ジソプ)記者