「ウクライナの捕虜、ロシア軍に忠誠を誓って最前線に配置」 露メディアが報じる

 【NEWSIS】ロシアが、ウクライナの捕虜をロシア軍に編入し、ウクライナの戦場に配置しているという外信の報道が出た。

 AP通信は8日(現地時間)、ロシアのリア・ノーボスチ通信を引用して、ウクライナの捕虜が今年10月、ウクライナの最前線に投入されたロシア軍大隊に合流し、ロシア側に立って戦っていると報じた。

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 APは「リア・ノーボスチ通信が報じた映像には、ウクライナの捕虜がロシアに忠誠を誓い、軍服姿で小銃を持ち、中世の貴族『ボフダン・フメリニツキー』の名を帯びた大隊で戦闘を繰り広げる様子が収められている」と伝えた。フメリニツキーは、15世紀にウクライナの一部をロシアの支配下に組み込ませる役割を果たし、ロシアでは英雄として称賛されている人物の一人だという。

 ただしAPは、映像の真偽や強制の有無などはすぐには確認できず、ロシア国防省とウクライナ軍および人権関係者らもコメントの要請に応じなかった、と付け加えた。

 しかし専門家らは、これは捕虜の待遇に関するジュネーブ条約に違反しかねないと指摘した。ジュネーブ条約(第3条約)は、捕虜を戦闘地域の砲火にさらされる恐れのある地域に送ったり、自ら希望しない限り不健康または危険な労働に使用したりしてはならないと定めている。

 人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)のウクライナ・シニア・リサーチャーを務めるユリア・ゴルブノワ氏は「ロシア当局が『彼らは自発的に志願した』と主張することもあり得るが、捕虜が強制収容されている点を考慮すると、自ら志願したとは考え難い」と分析した。

 英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のニック・レイノルズ地上戦リサーチフェローも「戦争捕虜には(事実上)選択権がなく、極めて困難な状況に置かれている」とし「圧力によるものという可能性がある」と推定した。

 ロシアは、ロシア・ウクライナ戦争の長期化により不足している兵力を補充するため、自国の受刑者やウクライナの占領地住民も徴集している。

 戦争研究所(ISW)アナリストのカロリナ・ヒルド氏は「ロシアはウクライナの捕虜を動員し、ロシアの囚人を配置し、占領地域に暮らすウクライナ人を徴集することで、総動員令に伴う社会的コストに耐える必要なく戦闘力を強化している」と評価した。

シン・ジョンウォン記者

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