台湾総統選 頼清徳・侯友宜候補に「韓国との関係」について聞いてみた

頼清徳候補「韓国と新サプライチェーンを作りたい」

侯友宜候補「新南方政策の代わりに韓日と協力」

 台湾の総統選挙まであと一日と迫った12日、政権与党の民進党に所属する頼清徳候補(64)が「当選したら韓国との関係を強化し、新サプライチェーン安全保障対話を開きたい」と表明した。同日午前、頼清徳候補は新北市土城区で自動車遊説を開始する直前、10分間の記者会見を行った。頼候補が選挙運動期間中、韓国について特定の立場を明らかにするのは初めてだ。

【表】台湾総統選 候補者の経歴と対中姿勢

 本紙記者の「総統に当選したら韓国との関係をどのようにするつもりか」という質問に頼候補は、「台湾と韓国は民主・自由・人権の価値を共有している。インド・太平洋地域における重要な朋友で、双方とも全体主義の脅威に直面している」としつつ、「私が(総統に)当選したら、韓国との関係を強化する」と答えた。続いて「観光交流、経済・貿易分野で韓国と協力を拡大し、気候変動に共同対応したい」「新サプライチェーン形成のための安全保障対話を開き、インド・太平洋保護のため協力しようと思う」と語り、その上で「韓国と台湾は国際社会により多くの寄与をするチャンスがある」と評価した。

 頼候補が「新サプライチェーン」に言及したのは、民主陣営が主導する半導体サプライチェーンにおいて韓国と台湾がそれぞれメモリー半導体とファウンドリー(半導体委託生産)の最強国である状況を念頭に置いたものとみられる。KOTRA(大韓貿易投資振興公社)台北貿易館によると、韓国にとって台湾は6番目に大きな貿易相手で、台湾にとって韓国は5番目に大きな貿易相手だが、双方とも相手に対する直接投資の規模は小さい方になる。

 両岸(大陸中国と台湾)関係の管理を巡る本紙の質問には、尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領の北朝鮮関連発言を挙げた。頼候補は「両岸の問題は、単に台湾と中国だけの問題ではない。既に全世界の問題に浮上した」とし、「韓国の尹錫悦大統領が『北朝鮮問題は韓国だけの問題ではなく全世界の問題』と言ったのと同じこと」と答えた。その上で「われわれは民主正義を望むので(国際社会と)共同で、地域の平和・安定を守りたい」「台湾は、自らの任を尽くすため国防と経済を強化し、民主正義の側に立つようにしていく」と語った。

 またこの日、第1野党の国民党に所属する侯友宜総統候補の選挙本部は、本紙に「侯友宜候補が重視する外交地域こそがインド・太平洋であって、(現総統の)蔡英文政権の新南方政策とは異なり、韓国と日本を重要と考えている」「二国間貿易、科学委員会設立などを通してサプライチェーンや貿易、科学技術、持続可能な発展などの領域で協力を拡大する」と伝え、その上で「米国のフレンドシェアリング(friendshoring. 友邦国同士でのサプライチェーン構築)を支持する。未来において台湾は韓国と手を携え、核心産業サプライチェーンの安全保障のため努力するだろう」とコメントした。

新北=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員

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  • ▲台湾・民進党の頼清徳総統候補が12日午前、新北の遊説現場で台湾の記者らの質問を受けている様子。/新北=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員
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