ローマと京都の支配層は宗教遺産で正統性を確保

ローマと京都の支配層は宗教遺産で正統性を確保

【新刊】ロバート・ファウザー著『都市はなぜ歴史を保存するのか』(ヒェファ1117刊)

 イタリアと日本の古都、ローマと京都には共通点がある。ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスは、即位した最初の年にローマ内の神殿およそ80カ所を補修し、古代ギリシャ文明との連続性を強調した。戦国時代に日本を統一した豊臣秀吉もまた、天皇が滞在していた仙洞御所を復元し、城郭を再建して、京都が誕生した当時の雰囲気をよみがえらせた(原文ママ)。

 何世紀にもわたって昔を姿をとどめてきた世界のさまざまな都市の「昔と今」を調べた一冊。ローマと京都の支配層は、正統性を確保しようと宗教的文化遺産を積極的に活用し、その結果、都市の歴史的景観を保存することができた。時には愛国心を鼓吹するために、時には社会的抵抗のために、それぞれ異なる理由で歴史と文化を守ってきた都市の裏面をのぞき見た。

 米国人の言語学者だがソウル大学国語教育科教授を務めた著者の経歴も目を引く。第2の故郷だと呼ぶソウルから東京、ロンドン、ニューヨークなど、自分がたどってきた16の都市について書いた『都市読法』も出版している。336ページ、2万4000ウォン(約2650円)

ペク・スジン記者

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