また「ごみだらけの街」に逆戻り…明洞、9年間何も対策なし /ソウル

夜になると至る所でポイ捨て・無断投棄が発生

 「今日は韓国旅行の初日なので北村(韓屋村などがあるソウルの観光地)を回ってからこちらに来たんですが、はっきり言って汚いですよね」

 今月16日午後7時、ソウル市中区の明洞。街で出会ったフィリピン人の観光客エマニュエル・フェドラルベズさん(30)は、商業ビルの入り口横に積み上げられたごみを見ながらこう言った。フェドラルベズさんが指を差した場所には、コーヒーの使い捨てプラスチックカップ、トッポッキのソースがこびり付いた紙製容器、食べかけの焼きトウモロコシなどのごみが数十点、山積みになっていた。

【写真】明洞にそびえ立つゴミの山

 フェドラルベズさんのスーツケースの持ち手には、白いビニール袋が結んであった。フェドラルベズさんは「ごみ箱がなかなか見つからないので、食べ残しや紙コップなどをここに入れて歩いていました」と話した。白い袋の中には紙皿と食べ残したたこ焼きが入っていた。フェドラルベズさんは「目立つ所にもっとごみ箱があればいいのに」と言った。

 コロナが終息し、客足が戻ってきたソウル・明洞の街には、至る所にごみがポイ捨てされている。特に、環境美化員が活動していない夜になると、道路やベンチ、花壇はもちろん、シェアサイクルの前かごにもごみがいっぱい入っていた。営業を終えた店の前にもごみがあった。ごみ箱が少ないせいで、観光客がごみをポイ捨てし、これを片づける人もいないからだ。明洞地域のごみ問題はコロナ前にも指摘されていたが、同じ現象が繰り返されている。

 今月15-16日に訪れた明洞には、さまざまなごみが至る所に山積みになっていた。友人と一緒に韓国旅行にやって来たという日本人のモリ・ナナコさん(21)は「日本の観光地と比べて明洞はごみが確実に多いと思う」と話した。トルネードポテトを食べていたノルウェー人観光客(49)は「周囲にごみ箱がないのでベンチ横のごみの山に捨てるしかなかった」「食べ歩きをするのはいい経験だけれど、ごみの処理が問題だと思う」と話した。ある外国人カップルは、食べ残したカップ入りのトッポッキを空き店舗の窓辺に置いて去っていった。中国人観光客のヤン・ウィさん(28)は「明洞は韓国の他の観光地よりごみ箱がとても少ないと感じる」として「クロッフル(ワッフル型のクロワッサン)を食べたが、紙皿を捨てる場所が全然なかった」と話した。明洞派出所の関係者は「警察署にやって来て、ごみ箱がどこにあるか尋ねる観光客もいた」と明かした。

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  • ▲グラフィック=キム・ハギョン
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