NLは17年に民衆党を立ち上げ、20年には進歩党へと名前を変えた。20年12月には民労総(全国民主労働組合総連盟)委員長選挙で京畿東部連合出身のヤン・ギョンス委員長が当選した。ヤン委員長は李石基・元議員が卒業した韓国外大竜仁キャンパスの総学生会長出身だ。京畿東部連合が、統合進歩党解散後に宅配労組などを足場として勢力を育み、民労総を掌握したのだ。ヤン委員長は昨年末、2期目続投にも成功した。そうしている間に進歩党は昨年4月、全羅北道全州乙選挙区の再選挙で姜聖熙(カン・ソンヒ)議員が当選し、国会入りに成功した。民主党は当時、「票田」の全羅道地方での選挙だったにもかかわらず、候補を擁立しなかった。
NLをはじめ韓国国内の親北・従北勢力は、昨年末に北朝鮮の金正恩総書記が「大韓民国の連中とは統一は実現し得ない」と突如路線を転換した後、右往左往している状況だった。北が対南工作のために組織した代表的な親北団体である汎(はん)民連(祖国統一汎民族連合)は解散した。彼らが衝撃と混乱に陥っていたとき、民主党が比例衛星政党の名分として野党連合を掲げ、国会に入ることができる道を開いてやったのだ。
民主党は今回、比例衛星政党を作る中で進歩党に3議席を約束し、市民団体側が推薦した候補にも進歩党系列の人物が含まれている。市民団体側の候補を審査した常任審査委員団には、汎民連で実務会談代表を務め、国家保安法違反などで拘束されたこともあるチョ・ソンウ氏が含まれていた。ユン・ヒスク進歩党代表は今月3日、共に民主連合創党式で「進歩党が受権政党(与党)になれるように努力したい」と語った。与党側からは「市民団体の仮面をかぶった従北勢力が民労総を掌握し、国会接収まで狙っている」との声が上がった。民主党内にも「われわれがなぜ従北勢力に呼吸器を着けてやらないといけないのか」という批判は少なくない。
パク・サンギ記者