中国選手に「先に行け」と合図? 北京ハーフマラソンで八百長疑惑騒動

 先ごろ中国・北京で開催されたハーフマラソン大会で、中国人選手を優勝させるために他の選手が故意にスピードを落とすような場面がカメラに捉えられ、波紋を呼んでいる。大会の主催側はこの騒動について、調査中だと明らかにした。

【動画】八百長? 問題視されたゴール直前のシーン

 ニューズウィークなど外信によると、今月14日(現地時間)に北京で開催された北京ハーフマラソン大会で、2022杭州アジア大会(開催は23年)金メダリストの何傑選手が1時間3分44秒の記録で優勝した。

 このときの動画が中国のSNS(交流サイト)で広く拡散され、ネットユーザーらの批判が続いている。動画を見ると、前を走っていたケニアのロバート・ケターとウィリー・ムナンガット、エチオピアのデジェネ・ビキラの各選手はゴールラインの手前で何傑選手の方を振り返り、スピードを緩めているようだ。ゴールする前に、オレンジ色のウエアを着た何傑選手の横を走っていた選手は、他の2選手の方に手を伸ばして阻止するような仕草も見せた。

 その結果、何傑選手は先頭に立ち、1位でゴールした。並んでいたアフリカ選手3人は1秒遅れて2位タイとなった。

 これを見た中国のネットユーザーらは「何傑選手は優勝するために疾走したが、外国人選手たちは競争したいようには見えなかった」「八百長だと通報するには中央紀律委員会(中国共産党の最高査定機関)に行かなければならないのか?」などと指摘した。

 中国共産党系紙「環球時報」の元編集長で、政府寄りのコメンテーターの胡錫進氏も微博(ウェイボー、中国版X)で「人々が、スポーツマン精神に反しているのではないかと疑問を投げかけている」として「今回の件の波紋は既に、ハーフマラソンということを超えて拡散された」と指摘した。

 ムナンガット選手は、香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)に対し「友人なので、何傑を優勝させた」と話した。その上で「そうしろと指示されたわけではなく、金銭的補償もなかった」と説明した。

 波紋が拡大すると、大会を主催した北京市体育局は、真相調査を進めていると明らかにした。その上で「結果が出たら公表する」とした。

 世界陸上連盟は、BBCに送付した答弁書で「我々は週末の北京ハーフマラソンの後にインターネットに流布された動画について認識している」とした上で「現在、当局で調査が進行中だと聞いている」と述べた。さらに「世界陸上連盟はスポーツの統合を最優先の価値と考えている。現在、調査が進行中であるため公式的に言及することはできない」との立場を明らかにした。

 なお、今夏のパリ五輪出場を狙う何傑選手は、先月中国の無錫で行われたフルマラソンで2時間6分57秒の中国国内記録を打ち立てた。何傑選手がハーフマラソンに出場したのは今回が初めてだという。

チョン・アイム記者

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