新人に年収40万ドルを支給する米ビッグテック…韓国の高級AI人材の40%が海外に流出  

AI・半導体人材大乱

 人工知能(AI)を開発、提供する韓国のある大企業は、年初来5月までの期間にAI開発者の採用に向けた募集を5回実施した。月に1回のペースで採用したものの、10人を採用しても、3、4人は全く出勤しなかった。募集を繰り返しても再び欠員が生じた。1カ月もたたずに辞めるケースも相次いだ。人事担当役員は「最初は教授ポストや他の大企業に行くと思っていたが、その一部は米国のグーグルやアップルのようなビッグテックへと去った。最初から勝負にならない採用競争だった」と話した。

【国際比較】AI人材の流入・流出

 最近世界的にAI産業と関連半導体産業が爆発的に成長し、人材の確保戦争が起きている。米国のビックテックは名門大学の修士・博士課程を修了した新人の年収が40万ドル(約6320万円)から始まる。米国の大学でAI修士課程を履修しているKさん(29)は「同じ専攻の韓国人留学生のうち、卒業後韓国に帰る人は一人もいない」と話した。名門大学でなくても、海外大学のAI関連の修士課程修了者が韓国企業に要求する年収は約1億5000万ウォン(約1700万円)。大企業のある最高技術責任者(CTO)は「韓国企業が応じられる水準ではない。こんな状況で誰が国内に残りたいだろうか」と述べた。

 韓国では人材の海外流出が深刻だ。AI人材の移動を追跡する米国シカゴ大ポールソン研究所によると、2022年には韓国で大学院課程を終えたAI人材の40%が海外に旅立った。半導体業界でも人材競争は厳しい。米国、日本、欧州などが生産拠点を増やし、AIブームでAI半導体開発競争も激化すると、元々不足していた半導体人材がさらに足りなくなった。本紙が半導体やAIを主力製品・サービスとしているサムスン電子、SKハイニックス、LG、KTなど大企業10社の技術・人事担当役員にアンケート実施した結果、理工系の修士・博士課程修了以上の「高級人材」を採用することが「難しい」または「非常に難しい」とした回答者は9社に達した。

 韓国のある半導体企業は最近、海外有名大学出身のエンジニアを採用し、直前になって「入社しない」と通知された。国内外の複数社に願書を出し、米ビックテックに採用されたからだった。同社の人事担当役員は「慰留しようとビッグテックの年収と待遇を尋ねたが、到底合わせられない条件だった。最近国内外の大学を問わず理、理工系の修士・博士課程修了者でとりわけAIと半導体関連の専攻者は、韓国企業だけでなくビッグテックや海外のIT企業にも願書を出すのが基本なので、こんなことがよく起きる」と話した。

 本紙のアンケートに応じた大企業の役員10人は、全員が希望人材の最終学歴として、理工系の修士・博士号保有者を挙げた。AI・半導体分野で一定水準の専門的知識や技術を持っている「高級人材」を必要としている格好だ。しかし、この分野では人材競争が世界的に拡大し、国内の大企業はリソースが豊富なビッグテックと対決する状況に追い込まれた。その上、韓国国内では医学部に優秀な頭脳を奪われ高級人材の「二重苦」に陥っている。

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