新人に年収40万ドルを支給する米ビッグテック…韓国の高級AI人材の40%が海外に流出  

AI・半導体人材大乱

■ビッグテックを目指す高級人材

 韓国の大企業に入社し、米国でコンピュータ工学修士課程を修了後、シリコンバレーのテクノロジー企業に就職したYさんは「ビッグテックは給与も高く、能力によって昇進する文化があり、韓国企業よりもキャリアに有利と感じた。韓国は小さな市場、雇用形態などシステムに差があり、同じ努力をして米国で得られる報奨レベルに合わせることは現実的に不可能だ」と話した。

 韓国に戻ってくる理工系留学生を獲得しようと争ってきた韓国企業は、ビックテックが新たなライバルとなった。最近国内の名門大学の理工系修士・博士課程出身者までもがビッグテックに就職するケースが増え、競争の度合いと環境も変わった。本紙のアンケートに応じたある企業役員は「コロナ前までは韓国国内の修士・博士課程出身者は大半が韓国企業に就職するという前提があった。しかし、米国だけでAI・半導体人材を確保することに限界を感じたビッグテックが海外人材に目を向けた。問題はビッグテックは年収に上限を設けないも同然で、労働市場も柔軟なので、韓国企業が採用競争でいつも負けるしかない」と話した。

 韓国科学技術院(KAIST)の半導体研究室では最近、研究生10人のうち6人が海外就職をしている。この研究室を率いる教授は「先月もアップルにインターンに出かけた修士課程の学生が就職勧誘を受けた。最近の理工系学生たちは英語での意思疎通に困難がなく、米国の就労ビザ取得も以前より容易になり、ビッグテックに就職する上での障壁がほとんどなくなった」と話した。実際米国務省が科学・芸術・スポーツ分野の特技を持つ者に発給する「O-1ビザ」の取得者のうち、韓国国籍者は10年間で2倍に増えた。芸術・スポーツ分野で米国に就職する人が大幅に増えることは考えにくい点を考慮すると、O-1ビザを取得した韓国国籍者の大半は理工系分野の高級人材ということになる。

■医学部偏重でAI・半導体敬遠

 本紙によるアンケートの回答者は高級人材の採用が難しい理由として、「理工系学生のプールが小さい」ことを最も挙げた。この問題を指摘したある役員はインタビューに対し、「学生数が絶対的に少ないというのではなく、優秀な人材が以前よりも理工系に進学せず、修士・博士課程まで残る学生が減った」と説明した。回答者10人全員が「医学部への偏重が人材不足に影響を及ぼすと思うか」という質問に「とてもそう思う」または「そう思う」と答えた。半導体企業の役員は「韓国の半導体産業が盛んに発展した80~90年代には理工系の成績上位の学生が電気、電子、物理、化学など工学部や基礎科学分野に目指したのに対し、アジア通貨危機以降は医学部を目指すようになり、理工系の人材資源自体が減った」と指摘した。

卞熙媛(ピョン・ヒウォン)記者、オ・ロラ記者

【国際比較】AI人材の流入・流出

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