■「検察調書」の証拠採択も論争続く
当事者が内容を否定した検察調書を憲法裁が尹大統領の弾劾審判の証拠として採択したことも論争になり続けている。現行法において弾劾審判は、被告人が法廷で否認した調書は証拠能力を認めないよう定めている刑事訴訟法を準用することになっているにもかかわらず、憲法裁は「刑事裁判とは違う」として証拠採択を決定した。これに対し、尹大統領は今月11日の弁論で「一捜査機関が調べたものではなく、検察・軍検察・高位公職者犯罪捜査処・警察など複数の機関が入り乱れてばらばらに調べ、国会聴聞会の記録まで混在している」として「調書ごとに相反する内容が多く、調書の内容と(弾劾審判で)実際に聞いた証言があまりにも隔たっている」と指摘した。
■馬恩赫問題を先に審理して物議
憲法裁は、他の審判よりも先に馬恩赫(マ・ウンヒョク)裁判官候補者任命保留を巡る権限争議審判をまず進めて物議を醸した。この事件の場合、今月10日にわずか2回の弁論で終結し、言い渡しを待っている。
これについて尹大統領側は、国会が韓悳洙首相を弾劾する際に議決定足数を大統領(200人)ではなく閣僚基準の150人としたことについての権限争議審判の方を急ぐべきだと主張している。だが憲法裁は、この事件については割り当てをしただけで何も進めていない。国会の適用した議決定足数150人は違法という結論が出たら、韓首相の弾劾が無効になるのはもちろん、崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行が馬候補者を任命しなかったことで進んでいる権限争議の審判も必要ない裁判になるのだ。
キム・ヒレ記者、キム・ナヨン記者