「12・3非常戒厳」当時、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長に「国会議員を逮捕せよ」と指示したという検察の捜査記録が、18日に憲法裁判所で開かれた尹大統領の弾劾審判で公開された。
これに対し尹大統領側の曺大鉉(チョ・デヒョン)弁護士は「法廷に証人として出てこない人の供述調書を証拠として調べるのは法律に違反する。証拠調べの対象から除外してほしい」と強く抗議した。裁判部がこれを受け入れなかったことから、曺弁護士はかばんを持って審判廷を出ていった。
■国会側、警察庁長の調書公開「大統領が『議員逮捕』指示」
国会側は18日、尹大統領の弾劾審判の9回目の弁論で「訴追事由立証のための証拠」として趙庁長の被疑者尋問調書(被尋調書)の一部を公開した。趙庁長は捜査機関で「電話がかかってきて、大統領は私に『趙庁長! 国会に入っていく国会議員をみんな捕まえる。逮捕する。不法だよ』と言った。後の5回の電話もやはり同じ内容だった。大統領は非常に焦っていると感じた」と供述した。
趙庁長は昨年12月3日の非常戒厳宣布直後の午後11時30分ごろから翌日午前1時3分ごろまで、尹大統領からこうした内容の、併せて6回の電話がかかってきたと述べた。
趙庁長はまた、呂寅兄(ヨ・インヒョン)前防諜(ぼうちょう)司令官が戒厳当時、最初の電話で、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長、金東鉉(キム・ドンヒョン)判事を含む15人の名を挙げ、2回目の電話で「(当時、保守系与党『国民の力』代表だった)韓東勲(ハン・ドンフン)追加です」と言った―と供述した。
国会側は、呂寅兄・前司令官の供述調書も一部公開した。呂・前司令官は軍検察の取り調べで「14人を特定して逮捕すべきだということについては非常戒厳直後、金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相から初めて聞いたのは間違いない」とし「(大統領が平素)非常措置権を使用したらこれらの人物に対し措置を取るべき、と言っていたのは事実」と述べた。