同協会に対するサッカーファンたちの批判はこれまでよりいっそう強く、政府も鄭夢奎会長に対して重い懲戒処分を要求している状況であるため、選挙は接戦になるだろうとの見方もあったが、ふたを開けてみると鄭夢奎会長の圧勝だった。投票者たちは「政権交代」よりも「安定」を求めたということだ。サッカー関係者らは、天安サッカー総合センターの完成や50億ウォン(約5億2000万円)の寄付、ディビジョン昇降格制の完成など、大型プロジェクトをまとめる鄭夢奎会長に力を与えた。鄭夢奎会長は2031年のアジアカップと2035年の女子ワールドカップ招致という切り札を切った。対抗馬として出馬した許丁茂氏と辛文善氏が、柳昇敏(ユ・スンミン)大韓体育会会長当選者のように新たな変化をリードするほどの新鮮な人物ではなかったことも、今回の選挙が盛り上がらなかった原因だと指摘されている。
鄭夢奎会長は当選後の記者会見で、「選挙人団が増えたため、200人近い方々に会ったが、サッカー関係者が望むことをより近くで聞ける良い機会になった」「初当選の時は逆転勝ちということで胸に来るものがあったが、今回は投票率の高さを見ても分かる通り、多くのサッカー関係者が参加したお祭りだったので、いっそう当選の意義がある」と語った。だが、文化体育観光部が鄭夢奎会長に対する懲戒処分を引き続き推進することを決めたのは、同会長にとって負担になりそうだ。同会長は「政府との関係はどのように方向を設定するか、あらためて説明する」「サッカーファンにも私たちの意思決定過程をよく説明すれば、誤解を一つ一つ解いていけると思う」と語った。
年間が予算2000億ウォンを超えるスポーツ種目の最大団体を、さらに4年率いることになった鄭夢奎会長は1962年にソウル生まれ、竜山高校・高麗大学経営学科を卒業した。1994年に韓国プロサッカー・チーム蔚山現代(1994-1996年)のオーナーに就任してサッカーと初めて縁を結び、全北現代(1997-1999年)のオーナーを経て、2000年1月から25年間、釜山アイパークのオーナーとなった、韓国プロ・サッカー界で最長寿のチームオーナーだ。鄭夢奎会長は今回の任期を最後に、大韓サッカー協会の会長職に挑戦することはないとの意思を表明している。
張珉錫(チャン・ミンソク)記者、キム・ヨンジュン記者