勾留取り消しで尹大統領釈放、弁論再開求める世論の高まりに弾劾審判宣告を控えた憲法裁困惑

「尹大統領弾劾審判」で岐路に立った憲法裁判所

■「郭種根・前司令官の通話録音ファイル」の証拠調査も変数に

 先日公開された郭種根(クァク・ジョングン)前陸軍特殊戦司令官の録音ファイルも大統領弾劾審判の新たな変数となった。郭種根・前司令官は戒厳当時「尹大統領が国会議員を引きずり出せと指示した」と証言した重要な証人だが、野党が郭種根・前司令官を懐柔し脅迫したことを示す証言が出ているのだ。尹大統領の弁護団が郭種根・前司令官の録音記録を追加の資料として提出し、弁論再開を申請するか検討中とも伝えられている。

 郭種根・前司令官は戒厳令直後の12月5日、20年来の知人との電話で「生き残るために良心宣言をしろと言われた」「(やらなければ)内乱罪で告発するそうだ」と話していた。通話した相手はTV朝鮮とのインタビューで「良心宣言を要求した人物」について「国民の力の側ではないだろう」と述べた。

 尹大統領の弁護団は今月7日、憲法裁判所に憲法学者の意見を集約した意見書を提出したが、その中で慶煕大学の許営(ホ・ヨン)碩座(せきざ)教授=寄付金によって研究活動を行えるように大学の指定を受けた教授=は「郭種根・前司令官の陳述は汚染され一貫性がない。憲法裁判所はこのような争いの余地がある証拠(郭種根・前司令官の陳述)を採択すべきではない」と主張した。

 元高等裁判所部長のある弁護士も「弁論終結後、後になって郭種根・前司令官の肉声が公開され、幾つかの隠れた内容を国民が知るようになった」「(郭種根・前司令官の証言は)いわゆる『内乱罪』フレームの糸口になったため、憲法裁判所は弁論を再開し、1-2回の期日で集中審理を行い疑問を解消すべきだ」と述べた。

 これに対して「憲法裁判所は弁論を再開せず、宣告日を先送りするだけだろう」との見方もある。韓国外国語大学のイ・チャンヒョン教授は「(尹大統領の)勾留取り消しで世論の対立が激しくなっており、憲法裁判所としても直ちに宣告するよりも一定の時間を置く必要が出てきた」との見方を示した。

キム・ヒレ記者、パク・ヘヨン記者

【写真】「カムサハムニダ!」 保釈され支持者の前で頭を下げる尹大統領

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