2022年の大韓航空631便オーバーラン事故、3年ぶりに原因判明…フィリピン当局が最終報告書

フィリピン航空事故調査委が最終報告書を公開
「2回目の進入時に着陸用タイヤが地面に衝突、減速・油圧装置が全て故障」

2022年の大韓航空631便オーバーラン事故、3年ぶりに原因判明…フィリピン当局が最終報告書

 2022年10月23日夜(現地時間)にフィリピン・セブ島のマクタン空港で、仁川発の大韓航空631便が滑走路を外れて損壊する事故があったが、この事故の最終事故調査報告書が公開された。報告書は主な事故原因について「2回目の進入時にパイロットが操縦かんを前に倒したことと、ちょうどその時に強風が吹いたこと」と指摘した。その結果「飛行機の急速に降下し、右側のランディングギア(着陸用のタイヤ)が地面に接触して壊れ、これによって油圧装置などが故障して滑走路離脱事故につながった」というわけだ。

【写真】オーバーラン事故直後の様子

 韓国国土交通部(省に相当)航空鉄道事故調査委員会が16日に明らかにした。それによると、フィリピン航空機事故調査委員会(AAIIB)は上記のような内容が盛り込まれた最終事故調査報告書を作成し、このほど韓国の事故調査委員会側に提供したという。

 報告書によると、事故当時マクタン空港では激しい雨が降るなど気象条件が良くなかった。着陸時の操縦は機長が務めていた。1回目に着陸しようとした際には、パイロットらは激しい雨のせいで滑走路がよく見えなかったため着陸を諦め、再び高度を上げる「ゴーアラウンド」態勢に入った。

 2回目に滑走路近くに接近した時には、正常な進入ルートよりも高度が高かった。機長はこれを補正するために何度か操縦かんを前に倒した。しかし、高度216フィート(地上から約61メートル)でも正常なルートより上にいた。その後、機長が1秒間さらに操縦かんを前に押すと、飛行機はようやく正常なルート以下に下がった。高度76フィート(23メートル)で機長は再び操縦かんを前に押したが、その直後、飛行機の下降スピードが速すぎることを知らせるアラームが鳴った。

 報告書は「機長が高度180フィートから地上に接触するまで、航空機の下降率を下げるために少なくとも3回の試みを行ったが、航空機はそのままのスピードで下降した」として「その時ちょうど上方と後方から風が吹き、航空機がさらに押し下げられた」と説明した。

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