結局、右の着陸用タイヤが滑走路の端にある高さ15センチの突出したコンクリート部分にぶつかり、破損した。報告書は、滑走路の端に突出部分があること自体が国際民間航空機関(ICAO)の規定違反だと指摘した。
3回目に着陸を試みた際には、右の着陸用タイヤが出なかったため失敗に終わった。4回目の試みでパイロットたちは「メーデー(緊急事態)」を宣言し、緊急着陸を行ったものの、最終的に滑走路を235メートル外れてしまった。これは、2回目の試みで着陸用タイヤが破損し、タイヤブレーキ、エアブレーキ(スポイラー)、逆推力装置(リバーサー)など、油圧に関連する装置のほとんどが故障したことによる結果だった。
報告書には「FCTM(エアバスのマニュアル)では『低高度で急激に降下する操作は避けなければならない』『最終接近中に地上の参照物がよく見えない場合は、直ちに復行(ゴーアラウンド)しなければならない』と記載されている」と書かれている。これは「事故機の進入が不安定で、ゴーアラウンドの判断が遅れた」という意味だとみられる。報告書は「シミュレーション実験の結果、ゴーアラウンドの判断があと1秒早ければ、地面には接触しなかったという結果が出た」と説明した。
報告書はまた「エアバスのマニュアルでは、機体の上昇が安定した時にのみ補助揚力装置であるフラップ(flap)を1段階にすることができると書かれているが、事故機はすでに(上昇前の)地上にいる時点でフラップが1段階に設定されていた」と指摘した。さらに「この状態では十分に上昇できず、航空機が地面に衝突する確率が高くなる」と説明した。
国土交通部は「当時の正確な状況について現時点では予断するのが難しく、フィリピンの事故調査委員会側から詳細なデータを受け取り、正確な事故原因を専門家と共に検討する予定」と述べた。
クァク・レゴン記者