在韓米軍パトリオットの一部を中東にシフトする韓米合意に専門家「重大な展開」

 一方、ランド研究所のブルース・ベネット防衛上級研究員は「国防総省はフーシ派との紛争が近いうちには終わりそうにないことを賢明に認識している」とし、「平時に複数の戦場で同時に作戦を遂行できる十分な軍事力を構築できなかったため、世界のどこかに配置されているパトリオットを中東に移動させるしかない。言うほど大きな問題にはならない」と述べた。国際戦略問題研究所(CSIS)の韓国専門顧問、シドニー・サイラー氏は「韓半島のミサイル防衛はより喫緊の問題だが、今回の動きが韓国に対する何らかのシグナルだとは思わない」とし、「その地域(中東)の脅威が十分に深刻で、韓国防衛に伴うリスクは管理可能だという結論を下したのだろう」と話した。民主主義防衛財団(FDD)のデビッド・マクスウェル上級研究員は「パトリオットのようなシステムは全世界的に需要が多く、米国防総省はそれをどこに配置するのか困難に直面している。戦略的資源の優先順位を再調整するだけであり、韓国を守る米国の意志が低下するとみるべきではない」と話した。

 ブルッキングス研究所の韓国専門家アンドリュー・ヨ氏は「国防長官と合同参謀議長の候補者ら米軍は北朝鮮を実質的な懸念として認識している。韓国軍は北朝鮮の通常攻撃に対抗、防御する十分な能力を備えているが、中東地域にはそれに相応する同盟国やパートナーがいない。韓半島に対する支援や防衛公約を撤回するというよりも、フーシ派による危機に対応し、潜在的な紛争拡大を防ぐためのものだ」と述べた。一方で「米国防総省と(米政府の)対中タカ派が他地域よりインド太平洋にはるかに強い関心を持っているという仮定があったため、興味深い動きにも見える」と話した。「オバマ政権は中東からアジアに方向転換しようとしたが、少なくとも今は限定的な範囲で再び中東に転換しているように見える」ということだ。

 ヘグセス米国防長官が2月に国防総省に配布した「暫定戦略指針」には、米国は中国の台湾侵攻阻止、本土防衛などを優先し、同盟が北朝鮮・ロシアなどに対する抑制を主導するという内容が含まれ論議を呼んだ。CSISの韓半島専門家、ビクター・チャ氏は「特定事例については言いにくい」としながらも、「韓国の安保政策決定者はトランプ政権が韓半島に限らずグローバル戦略の一環として韓国をとらえるという仮定の下で(軍を)運営する必要がますます強まると考えられる」と指摘。さらに、「米国は中国の脅威によりよく対処できるように(軍を)再編成しており、韓国軍が強力で有能であるため、パトリオットのような追加資源については、韓国が自主的に取って代わるのではないかという期待も根底にある」と述べた。

ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)特派員

【写真】平沢基地に配備中のパトリオット

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