進歩(革新)系最大野党「共に民主党」が、政権を取ったら軍の防諜(ぼうちょう)司令部(国軍防諜司令部)を事実上解体するレベルでばらばらにする案を進めるつもりでいることが16日に確認された。防諜司は先の12・3非常戒厳の際、政治家をはじめとする主要人物の逮捕の試みに介入した、という疑惑が持たれている。さらに民主党は、検察についても捜査権を完全に取り去って従来の検察を「公訴庁」に転換し、監査院は国会が統制できるように監査前に承認手続きを経るようにする案を進めている。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権で目に留まるほどの役割を果たした三つの権力機関を「内乱の本山」と見なし、つくり直そうというのだ。民主党内からは「積弊清算シーズン2のための下準備が始まった」という声が上がった。
民主党国防安保特委は最近、防諜司の主要機能を三つに分割する案について検討を終えたことが分かった。民主党の大統領候補が確定したら、大統領選挙の公約にも含められるものとみられる。防諜司は、韓国軍の情報保安機能と監察、防諜などを専担する中心的な組織だ。民主党は、このうち情報保安機能は国防部(省に相当)傘下の情報本部の保安担当部署へ、監察機能は国防部監査官室へ、そして防諜機能も国防部調査本部に追加任務を与える形で移管したいというのだ。韓国軍関係者は「これでは防諜司令の解体も同然」と語った。民主党の李在明(イ・ジェミョン)大統領選予備候補の安保政策顧問を務め、国防特委にも所属している金度均(キム・ドギュン)元首都防衛司令官は、本紙の取材に対して「韓国で発生した戒厳状況の核心に防諜司がいる」として「これ以上戒厳の火種を残しておいてはならない。極端な措置が必要」と語った。
保守系与党「国民の力」からは「民主党が政権を取ったら『内乱終息』を口実にした大々的な政治報復がほしいままに行われるだろう」という声が上がった。
■スパイを捕まえる防諜司を3分割、検察は公訴庁に格下げ…「積弊清算シーズン2」
民主党は今月16日、祖国革新党などとの円卓会議で「内乱の完全な終息」を目標に掲げ、権力機関の改革を推進することとした。その中でまさに名前が挙がったのが防諜司、検察、監査院だ。政権交代時にはこの3機関が新・積弊清算の優先順位トップになるだろうと予告したわけだ。
民主党が推進している「防諜司解体」が実現したら、韓国軍の情報・防諜機能は事実上無力化されるものとみられる。機務司令部出身のある予備役将官は、電話取材で「保安と動向、監察、防諜機能が総体的に発揮されてこそ、きちんとした防諜ができるのに、分散させたら機能そのものを発揮できない」と批判した。