積弊清算シーズン2…共に民主党の政権プラン「国軍防諜司令部を3分割」「検察を公訴庁に格下げ」「監査院を国会統制下に」【独自】

 防諜司の前身である機務司令部は2018年、文在寅(ムン・ジェイン)政権によって軍事安保支援司に縮小された。軍事安保支援司が文在寅政権の5年間で検挙した国家保安法違反者は「0人」だった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の12人、李明博(イ・ミョンバク)政権時代の45人、朴槿恵(パク・クンヘ)政権時代の20人に比べ、急減した。

 文在寅政権も、機務司を大幅に縮小はしたが、その機能を分散させることはなかった。ところが民主党が今回準備している案は、防諜司の機能をばらばらに散らしてしまうものであって、次元が違うとの評を受けている。

 民主党は、検察に対しても捜査と起訴を分離するという大枠を事実上確定させ、細かな作業について話し合っているところだ。李在明候補は今月15日、ユーチューブの配信に出演して「捜査担当機関と公訴維持担当機関を分離し、捜査機関同士もけん制するようにすべき」と語った。民主党は、文在寅政権時代に検察の捜査権限をなくす、いわゆる「検捜完剝(検察捜査権完全剝奪)」を試みたが、検察の捜査権を完全に無くすことはできなかった。検察はもちろん、学界や市民団体の側も「むしろ犯罪の死角地帯が増えて市民の不利益も重くなる」と反発したからだ。ところが今では「あのとききちんと検察を解体できなかったせいで検察が内乱の同調者になった」と主張している。

 民主党は、監査院に対しても「国会の統制下に置きたい」という立場だ。尹錫悦政権で監査院が行った特別監察は「政治監査」だと決め付け、特別監察をする際には国会の承認を得るようにする法改正を検討している。大統領が任命する監査委員も、推薦委を別に立ち上げて任命プロセスに社会各界の人物が参加するようにしたり、政府の政策についてはそもそも監査ができないようにしたりする案も出た。民主党指導部の関係者は「究極的には大統領直属の監査院を国会に移管するのが最も理想的」としつつ「これは改憲事項なので、まずは法改正で監査院の政治行為を防ぎたいということ」と語った。

 民主党が推進している一連の改革作業が、文在寅政権の行った「積弊清算」を思い起こさせ、事実上「政治報復」にほかならない―という指摘がなされている。李在明候補は「公捜処を大幅に強化したい」と言っているが、検察の捜査・起訴権は切り離すのに捜査・起訴権を共に持っている公捜処はもっと強化したいというのはつじつまが合わない、という批判もある。民主党は、現在25人ほどの公捜処の検事を50人まで増やす計画だ。法曹界の関係者は「『言うことを聞かない剣』である検察は解体し、言うことをよく聞く公捜処という剣を振り回したい、ということではないか」と語った。

シン・ジイン記者、パク・サンギ記者、ヤン・ジホ記者

【表】共に民主党の権力機関改革案

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