内乱首謀容疑の被告人・尹錫悦「戒厳令自体は価値中立的な法的手段」「戒厳と内乱は異なる」 メディア初公開で行われた2回目公判

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱容疑の刑事裁判が、今年の年末までに少なくともあと28回開かれることになった。ソウル中央地裁刑事25部(裁判長:池貴然〈チ・グィヨン〉部長判事)は21日、尹・前大統領の2回目の公判を開き、今後の裁判日程を一挙に指定した。裁判部は当初、検察側・弁護側の双方に対し、46回の追加期日を決めたいと告知した。年末までに裁判を終えて、来年2月の裁判官人事前までに宣告を下したい、という趣旨だと解された。しかし尹・前大統領側は、18回ほど不可能な日を除外してほしいと要請した。

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 この日の裁判では、尹・前大統領が被告人席に座っている様子が初めてメディアに公開された。裁判部が写真および映像の撮影を許可したからだ。尹・前大統領は裁判で8分間発言し「戒厳令は、それ自体は価値中立的な法的手段に過ぎない」「戒厳と内乱は異なる」などの主張を繰り広げた。

■被告人・尹錫悦「刃物を使ったからといって無条件に殺人というわけではない」

 初公判で93分間、検察側の主張に一つ一つ反論していた尹大統領は、この日は発言を控えめにする様子だった。裁判が進行している間は、おおむね目を閉じていて、時折傍らに座る弁護人とひそひそと会話を交わした。

 裁判の終わりごろ、尹・前大統領は直接発言に乗り出した。尹・前大統領は「戒厳令は刃物のようなもの」だとし「刃物で料理もできるし、病気の人を手術もできるし、脅迫・傷害などの罪を犯すこともあり得る。刃物を使ったからといって、無条件に殺人だという形で見てはならない」と主張した。その上で「(戒厳で)誰も傷つかず、流血の事態もなかった」「最初からそうして(軍人たちを)実武装させず、少数のみを送った」「もし内乱で長期独裁のために憲政秩序を破壊したのであれば、それを実現するための政務・政権計画や軍をどのように活用しようとしたかを根本的に取り上げてこそ、内乱罪が成立するかどうかが究明される」と主張した。非常戒厳は独裁や長期政権目的ではない「メッセージ戒厳」だった、という立場を再度強調したのだ。

■特戦大隊長「人に忠誠はしない」

 この日の裁判では、非常戒厳宣布後に国会に投入されたチョ・ソンヒョン陸軍首都防衛司令部第1警備団長(大領=大佐に相当。以下同じ)と、キム・ヒョンギ陸軍特殊戦司令部第1特戦大隊長(中領)に対する証人尋問も進められた。尹・前大統領側の反対尋問が主に行われた。

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  • ▲21日、瑞草洞のソウル中央地裁で開かれた内乱首謀容疑の2回目の公判に出廷した尹錫悦・前大統領。/写真=ニュース1

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